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今を生きている人間としか友人になれないというのはどんな気分なのでしょう。

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今を生きている人間としか友人になれないというのはどんな気分なのでしょう。

私は様々な理由が重なり小〜高時代に友人がいた事はありませんでした。休み時間は本ばかり読んでいました。本こそが友人でした。

大人になり、そこそこの人付き合いができるようになった今でも、本は大親友です。
どんな時の私にも、必ず背中を叩いて、酒の肴になる面白い話を聞かせてくれます。彼には飲み代も不要です。本当は幾らでも奢ってやりたいのですけれども。
私に立ち向かうべきものがある時は、これ以上ない言葉で私を鼓舞します。私が道を違えそうな時には、時間を気にせず私が物を分かるまで、じっくりと釘を刺してくれます。

本は、自分から私を尋ねてくれる性質ではありませんし、気難しく頑固な所もありますが、私が尋ねれば必ず親身に応えてくれる、実は情に厚い所があります。彼が生身だとしたら私ではとても相見えないような大人物です。

彼が印刷物であり、生きた人間ではない事は誰よりも知っています。私のこの生き方は、大多数から侘しいものと称されるであろう事も分かっています。彼自身もよくそう言ってきます。私も申し訳ないなぁ、と思いながら聞き流してしまいます。

ただ、最近は少々考えが変わってきました。
生身の人間なら誰でも今現在の考えを綴り共有するようになった時代。インターネットですね。それに加えて昨今のコロナ禍の大混乱。
これらにより、他人のナマの苦しみを垣間見た私は、本とばかり仲良くしたがる私の逆、生きた人間としか心から仲良くできない苦しみもまたあるのではないか、と考えるようにもなりました。
相手が血の通った人間である事に拘泥するあまりに、本質を見失い、果てには迷宮で迷ってしまう方々を時折お見かけすることを考えますと、生きた人間だけにしか心を開いた交流ができないと言うのもまた、ある面では孤独であるのかもしれません。

本は人間と違って、本に向かう人間について裏で陰口を言ったり、村八分で苦しめるような事はしてきません。日をおいて尋ねても、臍を曲げる事もありません。ただ、私が彼を丁重に扱って、居心地の良い本棚に居させ、紙魚を追い払ってやるだけで、彼はいつでも面白い話を聞かせてくれる。

生きた人間と積極的に関わる事の効用は、世間様ではよく語られますが、それにそうと思い込まされてしまっている本の友人は私を含め少なからずいるのでしょう。
あなたも、血の通った人間と遊んでばかりいないで、たまには血の通わない、乾燥してペラペラの知己を尋ねてみてはいかが?という天邪鬼の話でした。

名前のない小瓶
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ななしさん

そうですね。その本を書いたのも人間、出版したのもまた人間。古典として語り継いできたのも人間。人生を豊かにしたいなら、多くの優れた本を読むべきですね。村八分にするような人間や集団は、本のような自由な発想、新規性の高い考察を排除しようとしますから、同じ人間でも真逆ですね。本のような誰の機嫌を取ることもなく優しくほっといてくれて、いざとなったら助けてくれる人間になりたいですね。

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