10年前の私へ
人を好きになるということはどういうことですか？
私にとって”特別好きな人”とは
かっこよく生きる人
特別親切にしてくれた人
尊敬できる憧れの人
努力をしている人
容姿がかっこいい・かわいい人
全て別々の人で、みんな大好きです。
どちらかというと同性が多く
そこに性欲を伴うことはありません。
皆さま、お久しぶりです。
10代の頃、この場所で、よく投稿させていただいていました。
身近な人に言えない、悩み
理解してもらえないことが怖い
話したことで、大切な友人たちとの関係が変わるように思ってしまうことが怖い
当時はこんなしっかりしたサイトではなかったと思いますが・・・
そういう想いをつづるのに適していた場所でした。
社会人となった今
また、想いを託す場所を探して
ここに流れ付きました。
…そして！
なんと、同じ内容の小瓶を、10年前に流していました(笑)
「性的な行為に嫌悪感がある」という内容です。
若い頃の、つたない文章で
恥ずかしいですね。
当時の小瓶は、以下のような内容でした。
・男の人を好きになることはできるが
・性行為が怖い（当時はどうしても嫌で拒んでしまった）
・私は、ノンセクシャルかもしれない
いただいたお返事は、
・何かトラウマがあるのかも
・恥ずかしさを捨てれば大丈夫、がんばって！
・人を好きになれるのであれば無性愛者やノンセクシャルとは違うはず
などなど…。
当時、こういったお返事をいただいて、
「きっとまだ若いだけで本当の恋愛を知らないだけ」
だから、もう少し頑張ろう、と思いました。
10年間、いろんなことを経験し
この課題についてずっと、ずっと悩みました。
皆さんに言われた通り、
経験の少なさ等が原因で、きっと
羞恥心があるだけ、時間がたてば薄れていくと思っていました。
しかし逆に経験を積むほど、
時間が経つほど、気のせいではないことを
じわじわと確信するのです。
そもそもトラウマは一切ありませんし、
寧ろ「ふつうの恋人関係」に憧れているのに、
当事者になると思うと拒絶意識がある
そういう感じです。
経験を積んだ現在、
私はノンセクシャルで間違いないと思っています。
そこに至った経緯と
ちょっとした独り言を失礼して
どうか暇な方はお付き合いください。
まず、「ノンセクシャル」について
これはメジャーな例でゲイやレズビアンなど、
セクシャルマイノリティー（性的少数派）の一種です。
大学時代、性的マイノリティーについて学ぶ講義で
アセクシャルは
「誰も好きにならない、無感情、恋愛感情のない人」
「海外ではノンセクともいい、定義があいまい」
といった意味の説明がありました。
ただ教授の専門ではなかったこともあり、
アセクシャル・ノンセクシャルの説明は
簡単で、それだけでした。
私は講義中にドキリとしました。
別れた恋人に、こう言われたことがあるからです。
「君は、僕に興味もないし
誰も好きにならないよね」
でも大好きな友達は沢山いるし
”性欲”もある。
だから私は違うんだ、と
その時は深く考えませんでした。
その数年後、知ったのですが
正しくは「人を好きになるが、性的感情と結びつかない人」
であったそうです。
「恋愛感情と、性的感情は別」という前提です。
私は性欲が、食欲、睡眠欲のように在りますが、
「他者に対して」は感じたことがありません。(これも人によるそうです)
この人なら…と思ってお付き合いしても、
一度キスをしてからは
恋人が”苦手な人”、”恐怖対象”になりました。
何度も、罪悪感と戦い、後悔をしました。
愛しているが
性的な目ではみることができない。
大切な親兄弟に対する親愛感情…に近いと思います。
何かトラウマ(理由)を持つ方もいらっしゃるようですが
大概これは「本能的」であり、
理由はないそうです。
むしろ私にとっての「トラウマ」は
拒絶することにより「あの子はおかしい」
と思われる事になりました。
この性質はノンセクシャルの特徴に該当し
世の中に１％存在するそうです。
100人に1人。
私は、自覚していない人も含めれば
本当にそのくらい居ると思っています。
行為だけで吐いてしまう方もいるそうですが
私は私の気持ちを優先してくださる相手に恵まれており、
また私も相手を傷つけたくないので、
どうにか心を殺し、我慢することができました。
例えるなら
嫌われたくないがために、
興味のない・つまらない映画に付き合っている。。。
そんな感覚です。
最初は相手が喜んでくれることが嬉しくて
何とか我慢できますが
「またあのつまらない時間が」と、
徐々に会うことが億劫になっていきます。
私のようなタイプは、
何か無理やり理由をつけて我慢し
セックスの回数を少なくしてしまえば
結婚し、家族を作り、なんとなく一生を終えることもできると考えています。
でもきっと、それでは幸せにはなれない。
これから私は私を誤魔化して生きなければいけないのかしら
確信を得た時、ここ10年における悩みの解答をみつけた達成感と
道に迷ったような不安と恐怖を感じました。
では私は何故我慢してまで、
相手を探そうとするのしょうか？
それは支え合える人と結婚し、
子どもがいる家庭を作ることに
強く憧れがあるからです。
ただそこに性行為が必要であると思うと、
恐怖と罪悪感でいっぱいになります。
同じ気持ちが返せなくてごめんなさい
気持ちが悪いと思ってごめんなさい
それらを隠してごめんなさい・・・。
それでも、ここまで分かってしまえば
解決策を考えることができます。
世の中には友情結婚や、体外受精など
LGBT向けの情報や技術が
たくさん出てきています。
悩むことから逃げて、何もしなかったとして、
例えば10年後、同年代の人をみて羨ましくなるのではないか。
後悔することはないだろうか。
迷っている間に高齢出産になるのではないか。
どんな選択しても、どうなるかは未知であり
不安になるのです。
私はこの、気持ちを整理するために
このサイトを訪れました。
（だいぶ削りましたが、長いですね。）
10年前、ここに悩みを書いて、
読んでもらって
確かに救われたこと。
悩みを聞いてくれた人がいたんだ、という事実が
今の私に希望をくれたこと。
だから、私は今回もここで
「10年後の私へ」
また小瓶を流すことにしました。
最後まで読んでくださった方
お付き合いいただき
どうもありがとうございました。
10年後、私の心が
少しでも軽くなっていますように。
彩る譜
追伸
「もう少し早く気づいていれば…」
等と、私のような思いをする人が
少なくなればいいな、とも思っています。
全く気持ちがわからない方も
周りに悩んでいる人がいたらどうか
頭ごなしに「気のせい」「子供っぽい」といわず
こういった例があることを教えてあげてください。
