元々俺は彼奴等とは赤の他人だった。
俺の家は両親と俺、3人家族の農家だった。
それもただの農家じゃない。
食べるものもままならない、貧乏な家だった。
農家なら自分で作った物食べろよって思うだろ?
俺の家で作った物は全部、A国の野郎共が食べちまったんだ。
俺の家はグングニル国の端っこの方、A国の真隣だったんだ。
だから、腹を空かせたA国の野郎共が食べに来るんだ。
A国の野郎共が作った物を食べても両親は見て見ぬ振りをする。
一回聞いてみたんだ。
「なんで俺達が作った物を食べられても何も言わないの?」って。
そしたら両親が「しょうがないんだよ」って言ったんだ。
俺は意味がわからなかった。
俺の8歳の誕生日。
そんな特別な日だって俺達は農家として仕事していた。
両親は俺の誕生日を覚えてなかった。
家の中で農業に使う道具の手入れをしていた時だった。
目の片隅にA国の野郎が映った。
咄嗟に外へ出た。
気付いた頃には殴りかかっていた。
そしたら案の定殴り返されちゃって。
それに気づいた両親が慌てて駆け寄ってきて、
「私共の息子が申し訳ないことを、、、せめてものお詫びに今日の朝採れた物を受け取ってください」
って言いながら親父が土下座したんだ。
母親も
「優しそうな方々で良かったわ。ほらノマドも謝って」
って言って俺の頭を無理矢理下げた。
その日俺は両親に嫌悪化を抱いた。
家にいるのが嫌になって何も持たずに家を飛び出したんだ。
何処に行こうかも考えてなかった。
気づいた頃には国軍の訓練場の前にいた。
慌てて引き返そうとしたんだ。
だけど、目が離せなかった。
俺と同じような年齢なのに、一際目立つ奴等がいたから。
次も回想続きます。
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