前回の小瓶に、お返事が来ていました。
自分の創作物が評価されることは、他には代え難い喜びがあります。自分自身が評価されるよりも、自分の作り上げたものを褒められたほうがよっぽど気持ちが良い。
僕は、自分の行いを自分ごととして捉えることがとても苦手です。
だから自分が褒められても、あまり素直に喜ぶことができません。
「過去の自分は他人」という意識が根付いてしまっているからでしょうか。
もちろん、貶されるよりは褒められる方が好きですが。
これが自分の創作物であると、「自分の好きな作品」が褒められていることと何ら変わりがないので、素直に喜ぶことができます。
音楽でも映画でも文学でも絵画でも、創作物は個人の人格と切って離せないものだと、僕は思います。
素敵な作品を生み出すことのできる作者を、人間としても作品同様素敵だと思うし、その創作能力をリスペクトしています。
だからこそ、「自分の好きな作品」の作者が自分自身であったとしたら、それに勝る喜びはもはやあり得ません。
僕にとって創作物を評価されることは、唯一の自己肯定手段なんです。
幸せになれる手段は見つけられても、自分を肯定できる手段は、他に見つけ出すことはできませんでした。
僕の好きな詩人、小説家であるヘッセは、「詩人になりたい、詩人になれないのであれば死にたい」と語りました。
僕は臆病で、そこまでは言い切ることができません。
だけど、彼のように在りたい。
少なくとも今日の僕は、そう思うのです。