わたしのちっちゃな想い出のもの。
小さい棚の上にたくさん並べられたお人形。
昔は名前もつけてかわいがっていたけれど、なまえ もう覚えていないかもな。
わたしのちっちゃな想い出のもの。
海で拾ったにじ色っぽい貝がら。
家に帰ったら、もっと虹色になるようにみがいたっけな。
ちょっと潮っぽいにおいも、もう消えちゃった。
わたしのちっちゃな想い出のもの。
うすむらさき色の勉強机。
片っぽにはランドセル、もう片っぽは塾のリュックがかかってる。
机に入れるものも、どんどん増えてきているけれど、何かのふろくのシールが貼ってあるのはそのまんま。
想い出を探す度に、時間がすごく経ったと感じて切なくなる。
時が流れると忘れてしまうものもある。変わることだってある。
でも、どんな形でも『もの』はそこにある。
そう思うとすこし胸が軽くなった気がした。
あなたのちっちゃな想い出のもの、わたしに教えて。