誰かに「ありがとう」と言われた。それだけで生まれてきた意味はあったと思うよ。
誰かの笑顔を見れる。それだけで生きている意味はあると思うよ。
「死にたい」と思うことを、生きている理由にする。
そう思うことができるのは、その願いがいつか絶対叶うのは、とっても幸せな奇跡だ。
産んでくれたから。
生まれてきたから。
死ぬことができるんだ。
喜ぶことも、怒ることも、哀しむことも、楽しむこともできる。
空の色の移り変わりを見れるのも、雨の音を聴いて落ち着くのも、食べ物の匂いに美味しそうと思うのも、
怪我をして痛いのも……
もうとにかく苦しいのも……
全部、ボクがこの世界で息をしているせい。
重い。だからいつか無くす。
それまで耐えればいい。
流れる血に消毒と絆創膏をするように、その都度適切な対処をしながら堪えればいい。
救いである死を待つのが、ボクの任務だ。
できる事しかしないこと。それで生ききること。
わたしの職業は「死にたい人」だ。
死んだ方が楽であることが自分を支え、殺して、活かす。
わたしの心よ。
最期までどうぞ、苦痛を感じてくれ。
私が優しくあるために。
君のしあわせを願うために。