小さな命に対する責任を持つことが怖い。動物や子供を家族としてお迎えすることが怖いです

動物や子供を家族としてお迎えすることが怖いです。

昔、犬を飼っていました。
とてもかわいく、多感な時期を支えてくれた大切な存在です。
ただ何かと病気がちで、調子が悪くなる度に治療を受けさせたりはしましたが、10歳にならずに亡くなりました。
最期は看取ることができましたが、もっとかわいがっておけば良かった、もっとお世話をしたかったという念でいっぱいです。

その数年後、結婚をし、将来犬や子供をお迎えできたらと思い家も購入しました。
そしていざ犬をお迎えしようとした際、怖くなってしまったのです。
病気がちな愛犬は、たびたび入院や手術を受けていました。
治療を受けても完治することはなく、側から見てもなんだか調子が悪そうだなという状態が長年続き、最期にはあっという間に悪化して亡くなりました。
飼い主は動物から不快や苦痛を取り除かねばならない、それは当たり前です。
完治するならまだしも、ただ、言葉を話せず、明確な意思を提示できない存在に対し、人が良かれと思って治療を行うのはどうなんだろう、と術後の犬の痛々しい姿を思い出してしまいました。
結果として、犬はお迎えしませんでした。
ですが夫に、犬でそんな状態なら、子供も無理なんじゃない？と残念そうに言われました。

現在、子供はいません。
絶対欲しい、という気持ちより、年齢的なタイムリミットが近いことに焦りがある感じです。
確かに子供も迎えるのが怖いだろうなと夫に言われて思いました。
努力はするけれど両親が自分にしてくれたレベルのことはできないかもしれない、
子供に病気や障害があったら子供に申し訳がたたない、
生まれてきたくなんて無かった、なんて思わせることはしたくない。

動物についても、子どもについても、
「自分の意思とは関係なく家族として迎えられた家でも、幸せになってほしい。辛い目に合わせたくない。」
そう思っている反面、
「そうした命に対する責任を持つことが怖い、未熟な自分」がいることに気付きました。
自分や大人たちがそうした辛い目にあったとしても、大人だから自分だからなんとかしようとは思えるのです。
動物や子供といった、守られるべき命が辛い目にあったりするのが耐えられない、責任を持つことが怖いと思ってしまうのです。

自分ひとりで抱える訳ではない、責任を持つことが大人の使命、いざとなったときの決断は自分がする。
そういってくれた夫の言葉を無下にして、単に怖いし苦しい姿を見るのが辛いからあんな思い二度としたくない、という理由で今回は子犬を見送りました。
あれだけ心を尽くしてくれた夫には大変申し訳なく思っています。
子供がアレルギーだったらお互い辛いから、子供をお迎えした後に犬のことを考えようと苦し紛れにフォローしたのですが、
先の発言の通り夫には私の心は見透かされており、特に反応はもらえませんでした。
動物は飼ったことが無いけど動物な好きな夫なので、とても残念そうで今も言葉を交わせていません。

命への責任は大人の使命、常に最悪のことが起こる訳ではない、そのときはそのとき。
人生あらゆることを怖がっていたら前には進めない。頭ではわかっているのです。
未熟な自分は、そうしたことに立ち向かうことでようやく成長できるということもわかっています。
だけど怖い。背中を押して欲しいのか、そこまでしなくていいんだよと言って欲しいのか、自分でもわかりません。

犬猫はかわいがるのに牛や豚や鶏は食べる、そうした生きていく上での矛盾や、
今も世界では動物や子供たちが苦しんでいるといった現状もある、
こんな自分が生きているのが申し訳ない、こんな妻で申し訳ない、
色んな気持ちが入り混じり、涙ばかり流しています。