別に私が特別に不幸なわけじゃない。
ごくごく普通の女子中学生として、ごくごく普通な老衰で死ぬまでの人生を謳歌して行く筈だった。
私は死にたいのかもしれない。
学生で死にたいというと、いじめや家庭内暴力が一番の理由として挙がってくるだろう。
ただし、私のクラスメートは『いい人』で、親だって世間一般的にいう所の『いい親』なんだと思う。
だから、私が死ぬ理由は、他人から見て何もないんだ。
特別な理由は何もない。そんなことは私が一番わかっている。
ただ、私には生きている意味がないんだとは思う。
『私』は、自分でいうのもなんだが、学年の中でもかなり成績がいい。ただ、運動は下の下。
頭がいいことよりも、運動ができるほうが中学生としては何倍もいいのだろう?
羨ましがられる。私はたいして自慢もしていないのに。私は君のほうが羨ましいよ、って。言っても信じてくれない。
『私』はみんなから見て、『優しくておとなしいいい子』。
そんな子を演じているんだ。そう思われるのは本望じゃないか。
クラスの一員として、時々話しかけてくれる友達に応じながら、特段目立つこともなく大学まで卒業する。
ずーっとそう思っていた。
でも、それじゃ『私』である意味はないんだ。
私じゃなくても彼等彼女等は困ることなんてないし、
私が居なくなったって一瞬悲しんで終わりなんだと思っている。
生きていて楽しくもないし、かといって辛いわけでもない。
ただ、どうしようもなく息苦しい。
死んでしまったら解放されるのだろうか。
当然ながら死んだことがある人と話したことがないのだから、実際どうかはわからない。
私が死んだって誰も苦しまないのなら、別に自由に死んだっていいんじゃないのだろうか。
私はどうしたらいいのだろうか。