前の小瓶で、前に進もうって、書いた。
もちろん、ひとつの理由だけではないけれど、とある映画も、ひとつのきっかけととなっている。
『Love, サイモン 17歳の告白』
いやこれ、マジで良い映画だった。
舞台はアメリカのアトランタ。ゲイの男子高校生のお話。
ネタバレになるから、あんまりあらすじは書かないようにしておくけれど、少しだけ内容をまとめておく。
ゲイであることを隠して生きていたごく一般的な高校生(とはいうものの、裕福でリベラルな両親で、家庭環境はかなり恵まれている)のサイモン。ふとしたことで同級生からアウティングされ、それをきっかけに、周囲との関係が大きく変わるけれど、最終的には家族や友人から受け入れられる。ハッピーエンドだから、安心して見られる。
アウティングとか、それを乗り越えて周囲に受け入れられていく様子は、俺が以前他の小瓶で紹介したドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る』にも通じるものがある。まあ、主人公の自分自身のセクシュアリティに対する捉え方など、異なる点はもちろんたくさんあるんだけど、それでも、少し通じるものがあるように思えて、興味深かった。国も違うし学校の風景も全然違うけれど、きっと、遠く離れた他の国でも、偏見や差別っておそらく存在していて、セクシュアリティに悩む人も確かに存在していて、そして、受け入れてくれる人も確かに存在するということ。
アウティングで主人公がどん底のような状況になってしまって、それでも立ち上がって、周囲と対話して、受け入れられ成長していく主人公の姿は、マジで涙なしでは見られなかった。
この話はフィクションで、そりゃ現実はそううまくいくものじゃない、ってことはわかってる。国も年齢も状況も全く違う俺が、この映画の主人公のようになれるわけはない。それでもさ、この映画の主人公でなくたって、ゲイの自分をちゃんと自己肯定して、周囲とも傷付き合いながらも受け入れられて、そんな経験を通してどんどん成長していく人は、確かに存在しているわけ。それは、YouTubeとか見ていればわかる。
それでもね、別に俺は今この環境の中で今すぐカミングアウトしようとかってわけではない。それは、あまりに困難だ。カミングアウトが正義だとも思っていない。ただ、同性愛者として他者と関わる経験をしたい。同性愛者だって認識されたうえで、それでも受け入れてくれる他者と、人間関係を育みたい、そういう経験をしてみたい。そう思った。
あんま映画に影響されるのもどうかって、自分でも思うけどさ、でも、勇気をもらえたんだから、いいだろ。
あ、あと、この映画にはスピンオフのドラマがあって、そちらも面白いので、また機会があったら紹介したい。
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一通目の方
とてもとても遅くなりましたが、お返事ありがとうございます!
そうですね、基本的には、あなたが仰るように、特別に同性愛者と意識せずに話してほしい、とは思います。
ただ、カミングアウトしないと、無意識に異性愛者として話題をふられたりということで、とても疲れます。なので、僕が同性愛者だとわかった上で接してくれる仲間がほしいなということです。まあ、だからといってカミングアウトするつもりはないので、どすればよいのだろう、と困っているのですがね。
あたたかいお言葉をありがとうございました。
ななしさん
素敵な映画を紹介してくれて、ありがとうございます。
私もみたくなりました。
私は異性愛者の既婚者の女なのですが、
異性愛者だと、いちいちこの人は異性愛者だとか深掘りされず空気みたいに触れられない属性なので、
同性愛者やLGBTの方も性的指向がその人すべてではなく、他の特徴や人格をあわせてのその人なので、
関わるときに、この人は異性愛者だとか全然考えないのと同じように、この人は同性愛者だとも考えないほうが望ましいと思っていたのですが、
同性愛者として認識された上で人から受け入れられたいというお気持ちがとても伝わってくる素敵な文章で、視野が広がったような気がします。
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