拝啓、15の私へ
初めまして。今年19歳になる貴方です。
今、とても辛いよね。
今、貴方は、貴方の人生の中で、今が一番辛いと思っているよね。
私にもその気持ちはよく分かります。
貴方は今、自傷行為に苦しんで、『学校』という小さな…
ごめんね、今年19歳の私からしたら『学校』なんて、と思ってしまいます。
とにかく、そんな小さな社会の中で、色んな人間関係に悩んで、苦しんでいるよね。
中学校では周りの人みんなに『高校』という新しい社会への話題を振られて、貴方は希望か、絶望か、そんな感情に振り回されているよね。
でもね貴方は高校なんか行きません。
受験もしません。
貴方は高校受験すら受けません。
貴方は中学校を卒業してすぐに、本当にすぐ、働き始めます。
そこであなたは『学校』という小さな社会とはまた違う、大きな社会を見て、グンと成長することができます。
今の貴方では無理だった、他人と話すことも、何も怖くないと気づきます。
そうして貴方は自分の人生に安心します。
「生きていてよかった」と思えます。
でもね、貴方が16歳の時、おばあちゃんが亡くなります。
貴方と、おじいちゃんと、お母さんに看取られて、おばあちゃんは幸せそうに眠りにつきます。
貴方は深い、深い悲しみに包まれます。
でも、心配しないでね。
おばあちゃんは、『恋人』という素晴らしいプレゼントを残してくれます。
その人はね、貴方と、とても年が離れていて、まるでお父さんみたいな、家族みたいな安心感を与えてくれる人です。
貴方はその人に初めて会った時に、大きな安心感を覚えます。
その人が貴方の運命の人です。
私がね、どうしてこの手紙を書いたかというとね、
昨日、その『恋人』に結婚を申し込まれました。
私は「喜んで」と返事をしました。
貴方になら、書いていいかなと思えました。
とても辛い道を歩いてきた貴方に、こんないい事もあるんだよ、って、教えてあげたくなりました。
どうか、貴方のその小さな命を消さないでね。
そして生きていてくれてありがとう。
よく頑張ったね。
貴方が生きていてくれたから、今の幸せな私が居ます。
ありがとう。
明日、学校に行かなくてもいいよ。
生きているだけで偉いんだからね。