苦痛だったから色々頑張った。
お金を手に入れられれば苦痛から逃れられる、環境を変えれば苦痛から逃れられると思っていた。
でも、実際はお金を手にすると暫くは苦痛が無くなったものの暫らくするとまた別の苦痛がわきあがった。
環境も同じで環境を変えたら一旦は苦痛が無くなったものの、だんだんとまた新しい事が気になりはじめてやがてそれも苦痛に変わっていった。
これまで色々なせいにしてきたけれど、正直もうこれは自分の脳内回路の問題なんじゃないかとすら思う。
脳が勝手に苦痛を探してくる。
心の中に苦痛という部屋があり、それに何かが入ってくるだけだ。
いくら中身をどうにかその部屋から引きずりだしても苦痛っていう部屋自体が無くなるわけじゃない。
以前たしか、不安障害の時も同じ感じだった。
いくら確認しても、いくら不安を取り除いても不安が消える事は無い。
何故なら不安は人間の機能の一部だったからだ。
不安である事象をどれだけ頑張って取り除いても不安という概念自体が自分の中から消える事は無い。
不安障害を克服した方法は単純に頑張る事をやめた事だった。
不安を取り除こうとする事をやめて、不安を受け入れようと思ってから自然と確認衝動や不安へ対する不安は無くなっていった。
どうもこの苦痛という概念も同じような気がする。
戦うべきじゃなくて受け入れるべきだったのかもしれない。
長い間何をしていたんだろう自分は……。