趣味、髪型、服装、全部親の顔色を伺って決めていた。
全部強制されていた訳では無い。
「ヲタクっぽいから美術部はやめておけば?」って言われたから、ヲタクだったこともライブに行きたいことも伝えるのが怖かった。
髪型をいつもと変えたら「その髪型より前のが似合ってたよ」、着たい服があっても「あんたはそれは似合わないよ、もっと○○ちゃんみたいな整ってる子が似合うんだよ」なんて言われる。
そりゃあ自分のことをずっと育ててくれた母が言うんだからそれが正しいんだろう。
家庭の方針上、成人するまでは親にお金も出して貰ってるんだし、反対なんて出来ない。
「自分には出来ないんだけど、似合わないけど」が誰と話す時も前置きが癖になった。
「なんでやってないのに、決めつけるの?別にやってみればいいじゃん。」友達にそう言われて気づいた。
なんで自分で自分の道を狭めてるんだろう。
もっと色々なことに挑戦したい、でも親からの人格否定がすごく怖い。
「あんたには似合わないけど」「別に私は好きじゃないけど、あんたはそういうのがいいんでしょ?」
その言葉に、「そうだよ。私はこれが好き」たったそれだけの言葉が未だに言えずにいる。