お金の価値ってなんだろう。
昔は金本位制と言って金と交換できる紙という価値だったが、今はそれをやめて政府の信用に担保されている、というような説明を学生の頃聞いて、なんだかよく分からなかった。
物やサービスの値段は需要と供給で決まり、役立つけど誰にもできるわけではないことができる人はお金がたくさん稼げるのだ、という説明も聞いたけど、世の中を見ると別にそういうわけでもない。コロナ禍で言われるようになったエッセンシャルワーカーと呼ばれる人たちの大部分が低賃金という事実。食べ物をつくる、物を運ぶ、建物を建てる、子供や年配者の世話をするなど、生活になくてはならない仕事では人手不足がずっと続いているのに、賃金は低いまま。
お金がないと生きていけない、お金を稼ぐには働かなければならない、働かざる者食うべからずだ、と言われるけど、本当にお金をたくさん持っている人は別にあくせく働いているわけではなかったりする。
そして税金がないと政府は事業ができないのだと言うけれど、そもそもお金は政府が発行しているのだから足りないってどういうことだろう。実際今はいろんな国がお金の量を増やしている。
でもお金なんてまやかしで悪い物だ、とも思わない。お金ってすごいなと思う。お金を払うと、見ず知らずの人が、自力ではとても作れない物をくれたり、自分ではとてもできないことをしてくれたりする。ありがたい。
お金の価値は結局、他人の協力なんじゃないか。億単位の人数の力を借りられること。お金をたくさん遣うということは、それだけ多くの人の力を借りるということなのに、払う方が偉そうにしたりするのは、お金の価値がどこにあるのか、ほんとうは分かっていないのかもしれない。