もうやめてよぉ…!
私に優しくしないで…!
優しく包み込んだり…しないで…。
わたし、そんなことしてもらって
いいような上等な人間じゃないよぉ…!
優しくしてくれても、私、返せるもの
ひとつも持ってないの…!
だからやめて…もういいよ…!
痛くても、辛くても、屑なりに
藻掻いて生きるから…。
それよりも、優しいひとのそのこころが
まぶしくて痛いんだよぉ…。
ひとに優しくできる太陽みたいな、
そんな心を持った人が私なんかに
時間割いてるなんて、それだけでもう
石ころにでもなってしまいたくなるんだよぉ…!申し訳ないもん…。
だからね、いいよ、優しいひと。
わたし、人に迷惑掛けたくないよ…。
優しいひとになら、なおさら。
わたし、心が凍てついて歪んで汚れて、
酷い、冷たくて酷い子なの。
だからね、優しさに擦り寄ることしか
できないよ…何も出来ないもの。
そうして優しくしてくれればくれるほど
心があったかくなるのと一緒にね、
痛くなるんだよ。
その人の優しさに触れて、自分の醜さが
よくよくわかるの。
それが痛くて、辛くて。
寄り添って温もりを分けてくれる
その度に、その手をいつかわたしの
心が汚したり、凍てつかせたりしないかって不安になるの。
綺麗なままでいて欲しい。
わたし、ひとりで生きられるように
頑張って成るから。
その温もりを奪わずとも
生きられるように頑張るから。
ね、わたし、優しくしてもらって
良いような、そんな価値なんかないから。
その優しい手は、誰か他の、貴方の事を
幸せにし返してくれるひとに。
その優しい言葉は、誰か他の、
もっと救われるべきひとに。
その優しい心は、誰か他の、貴方の心を
凍てつかせない暖かさを持ったひとに。
泥の混じった氷塊みたいな、そんな
歪なわたしに構ってちゃダメだよ。
今はまだ強がりで、本心からそうは
言えないけど、いつかこれが強がりじゃ
なくなるように頑張るから。
だから、わたしをこれ以上温かさに
慣れさせないで。
わたしに優しい言葉を掛けないで。
わたしに優しく笑いかけないで。
わたしを優しく包み込まないで。
…その優しさは、貴方の未来の幸せの
ために使うべきなの。
…わたしに、優しくしないで…。