僕たち兄弟はすごい悪い教団のお司祭さまの子どもだった。もちろん、そんなことは当時施設に預けられていた僕たちには到底知りようがなかったけど。
それを知ったのはこんなことがきっかけだった。施設にお父さんを名乗る人物がやってきて、僕たちを引き取ったこと、そして家に入れられた時のこと。
お父さんを名乗る人物はこう言った。「お前の本当の父親に妻や子どもが消されたんだ」。「お前たちもいずれ真実を知るだろう」。
兄の方を見ながら「そして長男であるお前はそのうち司祭を継ぐ可能性がある」「だからここで消しておかなければならない」。なんだって?僕たちは耳を疑った。
男は刀のような刃物を取り出した。そして兄にうつぶせに寝そべるように指示し、僕に兄を押さえつけるように言った。僕たちは従う他なかった。
彼は震える手で兄の背中に浅い傷をつけた。兄は悲鳴を上げる。
しかし、「お前たちが、お前たちが…!」そう言う彼の声には涙が混じっていた。
僕は勇気を振り絞って言った。「僕たちは司祭になんかならないよ」「…それでも疑うって言うなら兄さんだけ殺したって意味ないよ」「…」「兄さんを助けてあげて」「そして僕に同じ傷をつけてほしい」
彼は泣いていた。刃物を落とし、自分のやったことに気付いたらしい。
「そうだな…そう…」彼は兄を解放し、部屋には僕と二人だけになった。
僕は意を決して上を脱ぎ、うつぶせになる。「傷があって穢れた身じゃ僕たちはお司祭さまにはなれないから」そうやって彼を納得させるための口実を作る。
彼は刃物を握り直し、震えた声で、こちらを脅すように、「本当にいいんだな」と告げる。「兄さんは許可なくされたんだ、こんなの平気だよ」とこちらも見栄を張って答える。
震えた手で背中に刃物をつーっと滑らせる彼。下唇を噛みながら必死に痛みに耐える僕。それはとても異様な光景だった。
その後、僕も解放され、兄と合流した。兄は何も言わなかった。
後日、僕たちは彼の家を訪ねると、そこには誰も居なかった。僕たちは目を見合わせて「これは僕たちのお父さん…いや、お司祭さまがやったんだ」。そう悟った。
end
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ななしさん
こういう話好き
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