俺が行く高校は私服の高校で、なんちゃって制服を着ている人もいるので、俺もなんちゃって制服で行くことにしました。
制服は、高校生で最後だし好きな制服で好きなことをしたい。高校生は、一度しかないからです。
だから、俺はネクタイとズボンを身につけることに決めました。
みんな、驚いた顔で「陰はズボンなんだね。」と言ってきました。
俺が、自分の性に違和感を感じていることを話していたのにも関わらず、母親は「ズボンにするの?スカートじゃなくて?」と何度も聞いてきました。
まぁ、そんなこと言われるのは予想してたからいいんですけど。
今日、おじいちゃんが家にきました。
おじいちゃんは、俺にとって家族で一番大事な存在です。辛いとき一緒にいてくれて、相談にも乗ってくれて、唯一俺をおばあちゃんから守ってくれた存在だからです。
そんなおじいちゃんが、今日「陰の制服見せて。」と言ってきました。正直、嫌でした。
おじいちゃんは、俺が自分の性に違和感を感じていることは知らないし、心配をさせたくなかったからです。
でも、拒否するのも何だったので制服を見せました。
何を言われるか分からなかったので、「思ってたのと違うでしょ?」と俺は言いました。
そしたら、おじいちゃんは「うん、そうだね。思ってたのと違うね。」と言い、その後に「制服着た写真、今度ラインで送ってよ。あ、陰が一人で写ってるやつが良いな。」とにっこり笑って俺に言ってきました。
おじいちゃんは、「なんでズボンにしたの?」とか「スカートの方がいいんじゃない?」とか、一切聞いてきませんでした。
おじいちゃんはやっぱり優しいな、と改めて思いました。