ノマド「駄目だ、、、俺は幸せになっちゃいけない、、、アンタの傍に居る事も出来ない、、、」
『なん、、、、、、で、、、?』
問い掛けようとした声が喉に詰まった。
ノマドが一筋の涙を流した。
ノマド「あれ、、、なんで、、、可笑しいなッ、なんで泣いてんだろ、、、」
流れ出した涙は止まる事を知らない。
涙を拭こうとノマドが自身の白い軍服の袖で目元を擦る。
ノマドの涙が服にシミを作っていく。
ノマド「俺は、、、駄目なんだ。幸せになったら俺が幸せになったら死んだ彼奴等に恨めしい思いをさせちゃう。皆平等じゃなきゃ駄目なんだ、俺だけが幸せになっちゃ駄目なんだ、、、、、、其れに、今仲間が居ても何時かは俺もアンタも一人になる、今の内に慣れておいた方が良い、、、寂しい思いはもう懲り懲りで、嫌だけど、、、其れよりも人を苦しませる事が嫌なんだ、、、ッ」
『、、、、、、そうか、お前は優しいんだな』
ポンッと片手をノマドの頭に乗せる。
ノマドは一瞬、驚いた様な素振りを見せたが手を振り払おうとはしなかった。
ノマド「俺は優しくなんか無い、優しかったらきっと、女の子の事も、死んだ仲間の事も、、、アンタの事も救えた筈なんだ、、、俺は弱くて情の無い最低な人間だよ」
『”情の無い人間”なら此処迄人の事を考えて自分を追い詰めたりしないだろう、お前は優しい人間だ』
ノマド「、、、、、、そう言うんだったらアンタもでしょ。見ず知らずの子供引き取って、どうしたらそんな優しい人間になれるの」
『自分で自分の事を優しいと思った事は無い。今だってこうしてお前の事を困らせている、、、だがな、昔父親に言われた事があるんだ』
“人に優しくすると自分に返ってくる。人に必要とされて、人を必要とする人間になりなさい”