元気になってしまったから。
死にたい人、辛い人、苦しい人に寄り添えられない。
前はそっち側の人間だったから、気持ちが分かったし、自分が欲しかった言葉を同じ状況にいる子に与えられた。なのに今は元気になったから、なにも分からないんだ。最終的にこうなりたかったはずなのに。元気になりたかったはずなのに。その時の気持ちがどんどん薄れていくんだ。怖いよ。頑張った、苦しかった、辛かった、死にたかった。死のうとした。死ねなかった。その事実だけが残ってる。感覚がどんどん無くなっていく。忘れたくないのに、思い出せなくなってるんだ。そんなに時が経っていないのに。私は、辛い人の力になりたかった。それが元気になった代償に出来なくなってしまう。つまらない、求めてないような答えが出てきてしまうんだよ。やっぱり恋しいのかもしれない。これだけ悩んで苦しんできたのに、変わる時は一瞬なんだ。変わってしまった自分を受け入れるのが変なんだ。アイデンティティだった。生きるのに必死だった。辛かった。自分が嫌いだった。はずだけど、本当はそんな自分が好きだったのかもしれない。死にたいと思えば思うほど、死のうとすればするほど、生きることを感じてしまう。生きていることを感じてしまった。苦しくも、頑張っていた。
普通の人間になってしまった。普通って言葉は嫌いだ。普通なんてどこにもないし、普通はみんな違うから。でもなんだろう。普通になった。空っぽになったと思うんだ。嫌でもないはずなのに、前に進めているのにどこか寂しさを感じるんだ。言葉でこの感情を伝えるのはとても難しい。全てのことが逆になったんだ。180度人が変わった。慣れなくて当たり前かもしれない。でも僕は分からないんだ。忘れたくないんだよ。あの気持ちを全部受け入れているのに。あの頃の僕の気持ちを分かってあげられるのは、僕だけなのに。その僕さえも忘れたら、無かったことになるんじゃないか。全部もしかしたら夢だったのか。僕は今まで何をしてきたんだ。分からない。考えない人間になりたくなかった。考えなくなったら死んだのも同然だと思っていた。僕は今死んでいるのか。考えすぎで苦しんでいたのは事実。元気になったのは考えなくなったから。こんな回らない脳みそはいらないのに。楽なんだ。甘えてるのかな。そうなのかもしれない。必死に生きた僕は死んだ。もうあの僕はいない。どこにもいない。僕はしそうじゃなくなった。神じゃなくなった。僕は人間に、動物になってしまったんだ。
可哀想な僕。
でも僕は幸せにならなきゃいけない。
昔の僕のためにも。
でも昔の僕を忘れそうなんだ。
ごめんなさい。
幸せになったら、笑ってくれる?
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