久しぶりの小瓶だ。この間に色々あった。人を好きになって、傷付いて、もうその傷が癒えようとしている。あいつを好きな気持ちは完全になくなって、とても楽になった。
いったいなんだったんだろう。あいつが好きだった時間は。好きになった俺が最初から負けていたけれど、なんであんなやつのために、日々胸を高鳴らせて、不安になって、こんなに傷付いてしまったのか。俺は同性愛者だから、人を好きになっても、気持ちは打ち明けないし、付き合いたいとも思わないし、別にたいした見返りを求めていたわけではない。ただ好きという感情がそこにあって、それを押し殺してただの友人として生きる。けれど、あいつとの人間関係自体、今考えるとおかしかった。あいつ、俺が好きだってわかってて、俺を好き勝手利用して、そして俺を捨てたのではないかとさえ思う。たとえ俺があいつを恋愛感情として好きなのではなく、友人として好きだったのだとしても、あの扱いをされたら同じくらい傷付いただろうな。
人が信じられなくなって、毎晩泣いた。そのうち泣くことすらないくらいに、感情を失って、抜け殻のようになった。
でもこんな俺に手をさしのべてくれた人がたくさんいた。まだまだ心が痛んで眠れない夜は多いけれど、少しずつ、やる気を取り戻しつつある。月日が薬とはよく言うけれど、月日というより、その流れている時間の中で出会う人々が、なによりも人の心を癒してくれるのだと感じた。