ついこないだ家出をした。
人生で初めて親に反抗した。
思えば幼稚園から勉強を強いられ、自分のやりたい夢など全てを否定され、親の言うことが全て正しいと盲信して生きてきたツケがきたのかもしれない。
両親は高卒だった。
そのことがすごくコンプレックスだったようで、自分にはとにかく勉強勉強、進路も安定した理系ではないとダメ。
反抗しようものなら多様な手段をとって私のプライドや自信を、プライバシーなど御構い無しにズタズタにされてきた。例を挙げると、高校の頃、成績が悪く、その事に対して物凄く怒り狂い、朝から私が作った弁当を床にわざと落とし、それを私に拾わせて、その中に牛乳を入れられ、食べなければ家から出るなと言われた。
文字に起こせば壮絶だ。
私は食べた。食べずに家に残るより、プライドを捨てて学校に行き、心を守りたかった。
まだまだトラウマはあるが、何故だか両親を嫌いになれない。
だが今回はもう無理だった。大学で成績が悪かった。家に突然訪れた親に糾弾され、家中を散らかされ、思い出の物は全て売られ、スマホの中身は全て見られ、人格を否定され、挙げればキリがない。
そして実家に軟禁されることが決定した。
もう我慢の限界だった。
父親に電車に乗せられたが、途中寝ている隙を盗んで逃げた。
解放されたのだ。もうスマホの着信に怯えなくていいと思うと心が踊った。降りた駅でスキップしながら漫喫に向かったことを鮮明に覚えている。
しかしここまでされても、未だ親のことは嫌いではない。良い思い出もあるからだろうか。
最近は自分が親の教育方針に耐えられなかったことがダメだったのか、と考えるようになり、どうすれば良かったのかを考えてしまう。
たらればの話をしても意味はないが、自分があの親のもとに生まれてしまったせいで、親たちは苦労したことだろう。
申し訳ない。
私じゃなく、他のもっと聡明な子が生まれていれば、お互いこんな苦しい関係にならずに済んだのに。
生まれてごめんなさい。
あなたたちが愛してくれた事は痛い程伝わったけど、痛すぎたよ。もう限界だ。