正直、物語やゲームや歌のなかの恋には憧れる。
でも、私なんかが、って思ってしまう。
軽度だけど障害があって、気が弱いから、仲間外れにされて、昔から群れるのが苦手だった。
家族は好き。学校に馴染めなくても、家のなかに居場所があるのが、本当に有り難かった。
家族に支えられて、出来ることを増やしていった。
文章を書くのが好きだから、詩や小説を書くようになった。
気分転換の散歩からウォーキングになり、今はジョギングと、ジムでの筋トレにハマっている。
台所に立つことすら躊躇していたのに、今は朝食やお弁当の用意も自分でするようになった。
アニメやゲームも好きだし、その関係でネットを介してやり取りする人たちも増えた。
仕事も少しずつ出来るようになった。
何の不足もない。学校時代に比べたら、贅沢すぎるほどだ。
だけど、時々、寂しくなる。
今は良くても、十年先、二十年先は?って。
本音で関われる友だちが欲しい。
片想いでいいから、恋もしてみたい。
でも、人に踏み込むのが、どうしようもなく怖い。
ひとりでいれば、少なくとも傷付かずに済むから。
どれだけ顔を上げて笑えるようになっても、幼い頃にぶつけられた酷い言葉や冷たい視線に、身が竦む。
私が、家族以外の他人と、本音で関われるようになるには、これがいくつハードルを乗り越えなければならないんだろう。
難しいなあ、と思う。