私は鏡が嫌いだ
写真が嫌いだ
私というものが、うつることが嫌いだ
卒業アルバムの私は
全て黒く塗り潰した
どの時代のものも、余すことなく
捨てることが許されなかった私には
塗り潰すという手段しかなかった
手元に置いておきたくなかった
そこに存在しているだけで不快だった
私の目の前から消えてほしかった
最近は軽率に写真を撮り、それを寄越す輩が多い
私が拒絶しても聞く耳を持たない
不快だ
不愉快だ
「1枚だけだから」だのと
「記念に撮らせて」だのと
くだらない
私抜きでやってくれないか
送りつけられてきた写真を
私が見ずに全て捨てていることを知ったら
彼らはやめてくれるだろうか
私に不快なものを見せないでくれ