痴漢に遭いました。身動きの取れない電車の中でした。逃げようとしたら、抱きしめられるみたいに押さえ込まれました。証拠も証人も残ら

痴漢に遭いました。
身動きの取れない電車の中でした。
逃げようとしたら、抱きしめられるみたいに押さえ込まれました。
証拠も証人も残らないと思ったから声も上げられず、鞄からスマホも出せず、ただ終わるのを待つしかありませんでした。
服の上からだったのに触れられたところが汚らしく思えて、気持ち悪くて、悲しくて、悔しいです。

仕事は普通に行けたけれど、一人になるとつらいです。
一晩寝たら少しだけ気持ちが落ち着きました。

もしかしたら私にも悪いところがあったのかもしれません。
いつもと同じ電車に乗っていれば。
あのとき違う車両に乗っていたら。
一つ隣のドアだったら。
相手と向き合う格好になるまえに別の方向を向けていたら。
今まで痴漢になんか遭ったことはなかったからなんて思っていなければ。
もっと会社の近くに住んでいれば。
コートのボタンを全て留めていれば。

一番悪いのは抵抗できなかったこと。
私以外の人に、私と同じ思いをさせたくはないけれど、あの人を捕まえることも、抵抗すらできなかった。
もしかしたらあの人は、さらに酷いことを他の人にするかもしれない。
私が捕まえていたら、誰かに助けを求めていたら、そこで終わりだったのに。
ごめんなさい。本当にごめんなさい。

あまりにも辛かったから、恋人に話そうかと思いました。彼ならば私に寄り添って、つらいねと言ってくれると期待したから。
でも、私が話したいのは自分が楽になりたいだけ。許されたいだけ。
自分の都合だけで私に触れる痴漢と、自分の都合だけで一方的に彼に話そうとしている私には、どんな違いがあるというのか。
考えたら自分がすごく気持ち悪い人間に思えてきました。
こんな迷った気持ちのままじゃ彼に会えない。


そろそろ行かなくちゃいけないところがあるから、筆を置きます。
やらなきゃいけないことがあるときだけは、忘れられます。
でも、それが終わればまた苦しくなる。
夜が来て、一人になるのが怖いです。

勢いで書いてしまったからところどころ分かりにくいかもしれないけれど、
こんな誰も幸せにならない手紙をここまで読んでくださった方、ありがとうございました。