好きでもない仕事に就いてしまった。
向上心も達成感もない。ただダラダラと仕事場にいて、この上なく無駄な時間を過ごしている。
就職して2年半。23歳になった。今の仕事は好きでもないけど嫌いでもない。
入社当時は「経験したことのない職種なんだから、好きでも嫌いでもないのが当たり前。いつか日が経ったとき、この仕事に就いて良かったと思うんだろうな」と考えていたけど、2年半が過ぎた今分かる。
この仕事は好きじゃない。向いてないとも思う。
でも好きでも嫌いでもないのが一番しんどくて、どう考えても無理だって分かる。
好きじゃなきゃ向上心もクソもない。だから達成感なんかない。
いっそのこと嫌いならすぐにでも辞められるのにとも思う。
仕事内容だってしっかりと身に付ければ自分の人生の為になるって分かってるのに、何一つ有効活用できない。
なによりも自分が無気力だということに気付いているのに復活の仕方が分からなくてしんどい。
毎日毎日辞める辞めないが頭の中をグルグル回って、この間は一週間も布団から出れなかった。
体調不良だって嘘吐いたことも数え切れない。会ったこともない親戚を死なせて休んだこともある。
こんなにも中途半端な働き方をするくらいなら辞めた方が良いのか。
それでも結婚する予定はもちろん子供を産む予定もないのだから、思い切ったことはしちゃいけない。
学歴も資格もないのに独りで生きていくのなら、定職ならなんだってあった方が良い。
結局はこうやって「でもな…どうしようかな…」ってそればっかり。
ミスをして、「ミスをしてしまいましたがこう対処しました。以後気を付けます、すみませんでした」と頭を下げたとき、部長も社長も「大丈夫だよ」と優しく笑ってくれたのに、私はそれに酷く傷付いた。
怒られるのはすごく怖いけど、それ以上に怒られないこともすごく怖いと思った。
あとから考えてみれば、その仕事は部長も社長も当たり前に出来ることで、私がミスしたくらいどうってことなくて、つまり最初から期待されていなかったのだなと思った。私は怒られたことが一度もなくて、それも相まって「お前は所詮その程度だ」と言われているように感じた。
向上心の皆無は他人にも透けて見えるのかな。
大人になったら働くのが当たり前だとか、仕事を好きな人間の方が少ないだとか、仕事に好き嫌いは関係ないだとか。
言ってることはすごく分かる。すごくよく分かる。そういう考えは間違ってないと思う。
仕事は仕事でちゃんと出来る人を尊敬してる。プライベートを切り離して行動出来る人もステキだな。
けど私は今の仕事をどうしても好きになりたい。たぶんこの仕事は私に向いてると思う。
どうせ汗水垂らしてお金を稼ぐのなら、「この仕事めっちゃ好き！」って周りの友達に言いたい。
誇りと遣り甲斐を持って働いて、いつかは疎遠になった母親にも一言くらい「どうだ見たかこの野郎！」とか言ってみたい(笑)
部長も社長も同僚だって、みんな良い人なの知ってる。私の心が卑屈になってるだけだって分かってる。
煙草休憩のときに話するのも楽しくて、たまにある飲み会でもたくさんお話し出来て嬉しい。
先月の給料日前には部長が手作りの煮物を持って来てくれて一緒に食べた。人と食事をするのも人の手作りを食べるのも中学以来だったから、ちょっと懐かしかった。あと気恥ずかしかった。
朝起きてご飯食べて電車乗って会社行って、自分なりに考えて先回りして仕事して仕事して、それでも上手く行かなくて心臓がチリチリして。帰って家のことやって寝て。
また今日も好きになれなかった。このままじゃ嫌いになってしまうかもしれない。それだけは怖い。また失敗した、笑って許された。それでも好きになれない。
少しずつ少しずつ嫌いに傾いていってるのが分かるから余計に怖くて仕事が上手く行かない。
「大人なんだから当たり前」が出来ない自分が恥ずかしい。恥だと思う。
ただ誰かに褒められたいと思っても当たり前が出来てないんだからそんな資格もないなと思う。
あっという間に時間が経ってしまう。私がこのままここにいていいのかなって毎日考える。
まあ他に行く場所なんかないけど。
