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消極的な自殺。私は、長生きしたいとはあまり思っていない

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私は、長生きしたいとはあまり思っていない。むしろ、できることならそこそこのところで静かに幕を下ろしたいと考えている。それは今すぐに死にたいという衝動的な話ではないし、自分の人生を投げ出したいというわけでもない。ただ、年老いて惨めな思いをする未来を想像することがどうしても苦しく、その不安を抱えたまま長い年月を生き続けることに前向きになれないだけだ。

物心ついたころから、私は鬱っぽい気質を抱えて生きてきた。精神科にはもう15年ほど通っている。闇に飲まれそうになった時期もあったが、どうにか付き合い方は覚えたと思う。今の私は死にたいからではなく、「生き続ける理由がどこまで続くだろうか」という、禅問答のような気持ちと向き合っているように思う。

社会も長生きに対して不安を煽ってくる。日本の先行きは決して明るいとは言い難く、老後の命運を握るはずの年金制度でさえ、今と同じレベルで受け取れるのかは不透明だ。もちろんまったくもらえないなんて極端なことは思っていないし、私はちゃんと保険料も払い、個人年金にも加入している。それでも、現実的に「安心して老いる」というビジョンが持ちにくいのは事実だ。

私は結婚するつもりもないし、子どもを持つ未来も想像していない。仮に人生観が180度変わったとしても、子どもに負担を背負わせるようなことはしたくない。せいぜい望むとすれば、入居者の尊厳が守られるような高級老人ホームに入れるくらいの貯蓄だろうか。

さらに厄介なのは、家系だ。母方は比較的短命なのに対して、父方は揃って100歳前後まで長生きする。しかも健康管理を徹底していたわけではない。喫煙、飲酒、不規則な食生活、それでも長く生きている。その事実が、むしろ私には重い。不安を先延ばしにされているような気さえしてしまうからだ。

せめて願うとしたら、全身麻酔を受けたときのような、意識がふっと消えるあの瞬間に近い形で、静かにこの世から離れたい。それは逃避でも破壊衝動でもなく、ただ「できるだけ穏やかに終わりたい」という、ごく控えめな希望なのだ。

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