その人はシャイ。
その人は優しい。
その人は恥ずかしがり屋。
その人が後輩から頼られると嬉しいことは知っている。
その人が後輩達を心配して、後輩のために色々配慮していることを知っている。
その人が一番忙しいくせに、後輩に負荷をかけさせたくなくて、たくさん抱え込んでいることを知っている。
私がそのうちのほんの少しを協力するだけで、ごめんね、ありがとう、無理させたくなかった、そう言う優しい人。
その人を冷たい、合理的、頑固そういう人はきっとその人の表面しか知らない。
私だけが気づいていると思う。
その人が差し入れを恥ずかしそうにしていること。
急に後輩に差し入れをした。
挙動不審だった。
朝からお菓子をデスクに置いて、落ち着きなくごそごそしてるところ。
滑稽でもあった。
スマートに、いつものお礼、食べて、そう言えば良いのに、気恥ずかしいのだろうか。
その人のそう言う、朴訥としたところが好き。
可愛らしいな、そう思う。
メンバーだけでなく、部署全員に配ってた。
良い人だなと思う。
翌日は足りなくなって、後輩にしか配れないけど、そう恥ずかしそうに渡してた。
配る前に、また袋をガサガサして、ちょっと覚悟?して配り始めたのは、私だけが面白がっていたと思う。
十分です。ありがとう。
私は、その人に報いているだろうか。
後輩の一人だけど、きちんと感謝を伝えられているのだろうか。
お礼は言ってるけど、そこは不安。
本音を言えば、私にだけちょっと特別なら良い。
きっとその人は忘れているだろう。
昔、私にだけお菓子をくれたことがあるんですよ。
最初は、先日のお礼、そう言ってこの時期にお礼をくれた。
大袋のお菓子、笑ってしまった。
翌年も、去年あげたよね、だから、そう言ってくれた。
覚えてくれたら良いな、3年目もちょっと期待したけど、それは無かった。
良いの、それで。貰えるなんて期待する方が浅ましいから。
あれからまた歳が重なってしまった。
私はまだそんな些細なことを覚えている。
きっとその人はとうの昔に忘れてしまったに違いない。
冗談でも言えたら良かった。
その気はあなたにきっと無いのだと思う。
でも私の誕生日、ちょっと前だったんですよ。
だから、違うって知っているけど、誕生日プレゼントみたいで嬉しかったんですよ、って。
そんな、くだらないことを思いながら、眠りに落ちたいです。
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