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小説「相乗り夜汽車は何処へ行く」綺羅星編 第一項

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席に戻りますと、誰かが座っておりました。
見ると、濡れたように黒い長髪の女性のようでした。
「あら、こんにちは。この蜜柑の持ち主さんですか。」
「ええ。良ければおひとつ如何です。」
そう促すと、ひとつ蜜柑を手に取り皮を剥き、口に放り込みました。
「言い忘れてましたが、相乗り失礼致します。」
そう言いながらこちらを見つめる眼差しは、とても鋭いものでした。
色素の薄いその目を何処かで見たことが在る気がしましたが、どうしても思い出せませんでした。
外を覗きますと、そこには虹が架かっていました。
空気中の水分によって星の光が屈折したものらしい、とさっき向こうに座っていた商人が話していたことを思い出しました。
「外、美しいですよ。」
「珍しい、貴方は幸運な方なのでしょう。……懐かしい。」
発言の意図が読めず首を傾げておりますと、彼女は気にしないでと笑いました。

どれくらい時間が経ったのでしょう、いつの間にか虹が消えてなくなっていました。
「そういえば、貴方は何処から来たのです。」
どうしても聞かずには居られないのには理由がありました。
さっきのサラリーマンの男性と少年の話を聞いて、悪い予感がするのです。
「……貴方が知る必要は無いかと。」
その突き放したような言い方がどうにも引っ掛かってしまうものです。
追及しようと口を開く前に、彼女が喋りだしました。
「貴方は自分が何処へ行くのか、知りたいのですか。」
静かに頷くと、彼女は悲しそうな顔をしました。
「そうですか。……それでは、私の話を聞いてもらいましょう。」
反応をするより早く、我々を幻灯が包み込みました。

※星の光で虹がうまれる設定はフィクションです。

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