誰かバカな飼い主によって死んで行った猫の話を聞いて下さい。

9年前裏山で生まれた黒猫。
親子で苦戦して捕まえた｡
本当の名前は違うんだけど
クロゾウと呼んだ。
何でもカジるし
猫パンチが飛んで来る。
甘えん坊でずっとくっついて来て
恐がりで誰か来ると絨毯の下に隠れた。
キレイ好きで
一生懸命砂を掛けて猫砂だらけ。
元気いっぱいだった。
5歳の頃､肺炎を起こし入院したが
元気に帰って来た。
9歳の秋、鼻詰まりが酷くなった｡
呼吸困難になり
胸水が溜まり入院した。
3日後、悪性腫瘍の疑いで抗がん剤を打ったと言った。
5日後、まだ元気だったが
鼻カテーテルを入れられて苦しそうだった。
返して貰えなかった。
10日後、返して下さいと頼んだ。
クロゾウとは思えないほど痩せていた。
カラダも下痢で背中まで汚れていた。
水も飲めず､口呼吸だった。
胸水が溜まり翌朝､再び病院に行った。
夕方迎えに行った｡
少し元気になった。
帰りの車で電話がなった。
獣医だった。
家で看取ってあげたいと何度も断ったが
治してあげたい､
手術しないと死んでしまう､
お金は十分貰ったので
タダでいい
癌細胞が溶け始めている、
開けたら取れる､と言われた。
引き返してしまった。
戻ると点滴の針を持った獣医がいた。
この猫はウチで引き取らせて貰う、
死んでも連絡しませんから、
お引取り下さい、と
キャリーを渡された。
信じられない言葉だった。
この子はウチの子です。
亡くなったとしても連絡して欲しいと｡
病院から追い出された。
毎日電話した。
手術はしましたよ、
タダなのに連絡しない約束ですよ､
人間と同じ最高級の治療をしてるんですよ、
連絡すると言う事は医者と患者になるんで
治療費が発生しますねぇ。
安楽死?しません、
いつ退院なんて解りませんよ、
癌ですよ、人間だったら何年も掛かるんです､
徹夜で看病してるんですよ、
私は手術で治るなんてひと言も言ってませんよ！
今までで1番元気なんですよ!
お金は払うので何とか返して欲しい
最後は家に連れて帰りたいと頼んだ。
翌日の定休日にされた。
病室に通された。
すごい臭いだった。
変わり果てたクロゾウの遺体があった｡
骨と皮だった。
しかめたままの片目は
鼻カテーテルを縫いそこねて
針で突いたのか
赤く腫れ上がり､瞳は白く失明していた。
片目は目が閉じなかった。
鼻カテーテルは真ん中の軟骨に
縫い付けてあり、
カテーテルを抜くと
先がむしり取ったようにガタガタだった。
血が滲んでいた。
もう片方の鼻は吐き戻したミルクが
石膏のように固まり塞がっていた。
カテーテルも蓋がしてあり
ずっと口呼吸で窒息死したようだった。
歯は剥き出したまま
口は閉じなかった。
点滴を抜くと血が滲んでいた。
右側面は毛がなかった。
大きく切った肺の傷は血が滲んでいた。
お腹にも胸水を抜く為にL字型に大きな傷があり
ケージの外から抜く為に
1ｍほどのチューブをグルグル巻に束ね注射器を
お腹の上に置いてあった｡
傷は血が滲んでいた。
絆創膏を剥がすと毛がごっそり落ちた。
タダと言っておいて
ウチも費用が掛かったんで
治療費は半分の10万円頂きますと言った。
前回の分とで40万以上支払った。
クロゾウには地獄の15日間だった。
ひと言の謝罪もなかった。
関東の知り合いに頼んだと言っていた､
癌細胞組織検査の結果は見せてくれなかった。
レントゲンも3日間で
全く違うものだった。
最高級の治療など記載はなかった。
後日､車で火葬して貰った。
末期の肺癌で
肺全体に癌が広がっていたと言った｡
火葬後､骨は綺麗だった。
肺癌どころか
肺もあんまり悪くないよ、と言われた。
こんな悪い獣医なのに
最後まで
信用して
こんなバカ飼い主に飼われて
本当に可哀想な事をしてしまった。
自分がこんなにバカだとは。
周りの人もバカにするはずだ。
こんなバカは世の中の迷惑だ。
でも保護した捨て猫が数匹､
この猫達を看取るまで
どうか生きさせて下さい。
全部看取ったら
迷惑かけないように
死のうと思います｡