彼女に記憶障害が現れました。
彼女は元々てんかんを持っています。10代の頃に投薬治療して治っていたのですが、今年に入ってからまた発作が起こるようになりました。
彼女の発作はほとんどが痙攣起こすこと。寝付いた直後や朝方に全身が痙攣することがあります。10分ほどで収まりますが脳や体に相当負担がかかるのかすごい疲労感や筋肉が痛むようになるそうです。
そしてそのてんかんの発作の影響の一つに鬱のような症状があるそうで、私の彼女も急速に鬱に入り「消えたい」などと話し出して、時には部屋から外に飛び出そうとします。
それを必死で止めていると
フッ
と落ちるようにまた眠りにつく。そんなことが続いていました。
今度一緒に病院に行くか、また投薬治療をするか、過去の経験は辛かったようで少し様子をみたいと最近は話をしていました。
そんな中である日、彼女は記憶をなくしました。
その日もひどく鬱気味で、仕事の多忙さ、てんかんの発作による疲労感などが重なり何度もベランダに飛び出そうとしたり「消えたい」と口にし続けていました。
そしていつものように
フッ
と落ちるような様子があり目を開くと彼女は急に静かになりひどく怯えているような顔になっていました。
この時は私の部屋でした。部屋の中をキョロキョロと見回す彼女。
「どうしたの?」
と声をかけるとビクッ!と驚き
勇気を振り絞ったような声で
「誰ですか?」
と私に訪ねました。
何故か私はその瞬間に彼女の記憶がなくなったことを理解して、問いただしたり思い出させたりしないようにただ彼女のペースに合わせて会話することを選びました。
なぜここにいるのか、あなたは誰なのか
これはわからないようですが会話をしていると家族のことや友人、職場のことなどハッキリと覚えていて私のことだけがポッカリ記憶からなくなっていました。
共通の仕事仲間もいますが、その人のことはわかるのに私のことは知らない。
「◯◯さんとはお友達なんですか?だから私のことも知ってますか?」
とゆっくりと話しかけてくる彼女と会話をしながら涙が溢れてきました。
彼女は私のことを忘れてしまった。もうこのまま戻らないのだろうか。
涙を流す私に彼女はティッシュの箱を渡してくれました。いつもと同じ優しい彼女でした。でも私が誰かは覚えていない。
もうずっとこのままなのかもしれないという不安と、話していたら何か思い出すかもしれないという期待を持ちながらゆっくりと会話を続けました。
するとどうやら彼女は2020年くらいの記憶まで戻ってしまったようでした。自分自身のことを当時の年齢で答え、まだ当時のアルバイトの話などをしています。「今って2020年でしたよね?」と。
その時からすでに私は知り合ってはいました。しかしその記憶の中にポッカリと私がいないのです。
私と彼女ともに関わっている仕事があり、会話はその話題に。その仕事に関するものが部屋には置いてあり彼女はふとそれを見つけてピタッと表情が固まりました。
数秒間フリーズしたようになりそのあと
「◯◯(私の名前)、私ももうダメだ」
と部屋から飛び出そうとしました。
それを引き止めて抱きしめていると記憶をなくしていたということをぼんやり理解しているらしく自分はついに壊れてしまったんだとパニックになっているようでした。
そのあとパニックのような状態はなかなか収まらず、必死にあなたがどれだけ大切な人か、失いたくない、記憶がなくなっても戻ったから今は落ち着こうと語りかけてゆっくりと彼女も落ち着きを取り戻していきました。
この発作?記憶障害?があったことでひどく鬱状態だった精神的な部分も落ち着きいつもの彼女に戻りました。
すごく恐かった、悲しかった。でも戻って良かった。
これでひとまず安心出来るかと思いましたが、私のことを忘れてしまった彼女はまたすぐに私の前に現れます。
長くなってしまったのでまた次回に。
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小瓶主さんの想いを優しく受け止めてあげてください
名前のない小瓶
すごくお辛い経験をされましたね。
お二人だけの繊細なお話に他人が踏みいるとはよくないなと思いつつ、どうしても読むことをやめられませんでした。
この前編の文章を読む限りでは、彼女さんの記憶から、あなたが消えてしまっている、そんなふうには僕は思えませんでした。
あなたを特別な存在として意識し始める、記憶に残し始める、単にその前にまで時計の針が戻ってしまったのだと。むしろそんな印象を受けました。
大切な彼女さんを支える貴方の自信が崩れてしまってはいけない。そんな一心で、ただ、それだけを伝えさせていただきました。分かりきってることだとしたらすいません。
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