入院してて無性にラーメンが食いたい。
そんなことを考えてたら以前通ってたラーメン屋での出来事を思い出した。
中央線の某駅前にあるラーメンフードコート的な場所。
そこには4件のラーメン屋があって、俺はその中でも二郎系の店と家系の店を良く利用していた。
どっちの店も好きだったが二郎系の方は混んでることが多いから、家系の店の方を贔屓目に利用してた。
仕事で遅くなることが多くて、大体夜のラストオーダー付近に行ってた。
その時間だと店長と思われる男性がワンオペで回してる。たまにバイトっぽいにーちゃん。
毎回『良かったら次回どうぞ』
といってトッピング無料券をくれる。
そして俺はそれを使ってチャーシューを1枚付けてもらう。
食べ終わったら『ごちそうさまでした』
と言って帰るだけでそれ以外の会話は特に無い。
ある日、バイトのにーちゃんが担当だったときその無料券が貰えなかった。
元々サービスで貰ってたやつだし、やらなくなったのかな?と思って特に聞かなかった。
次に行ったとき、店長に食券だけ渡す。
『トッピングはいつものチャーシューで良いですか?』
と聞かれた。
『あれ?無料券出してないですけど?』
って言ったら
『前回バイトの子でした?最近入ったんで、たぶん渡すの忘れちゃったんですね。お客さんいつも来てくれて俺が覚えてるんで顔パスですよ』
そう言っていつも通りおまけしてくれた。
覚えててくれたのが何か嬉しかった。
常連になって一通りメニューは制覇した。
といっても3種類+たまに期間限定メニューがあるくらいだけど。
俺は油そばが一番好みで、次がその店のデフォルトのラーメン。
通う時はこの2つをローテーションで頼んでいた。
特に説明書きはないが『細麺変更』という0円の食券がある。
ラーメンの時は細麺を好んで頼んでいた。
油そばも細麺に出来るのかな?と思って
ある時、油そばと細麺変更の食券を渡して聞いてみた。
『油そばは細麺できないんですよ、すみません。』
『あぁ。そうなんですね。じゃあいつもの麺で。』
そういっていつもの油そばを堪能して帰る。
後日また油そばを頼む。
『この前言われて、ちょっと油そばの細麺作ってみたんですが、良かったらどうですか?』
『あ、じゃあ細麺お願いします。』
『細麺だといつもの麺よりちょっとだけ量少ないんですけど良いですか?ラーメンのと同じ量です。』
『全然大丈夫です、お願いします。』
そして細麺変更された油そばを食べてみる。
『どうですかね?お口に合いますか?』
『良いですね、細麺好きなんでこの味で細麺で食べてみたかったんですよ。』
『それならよかった。試しに細麺で作ってみたらいつもの分量だとしょっぱくなりすぎちゃったんで、何度か味調整して、これならお出しできるかなってのがやっとできたんですよ。』
『いつもの中太の麺も好きなんで、これから油そば頼むときはローテーションしますね』
そんなやり取りをした。
何気なく頼んだだけなのに、俺のために試行錯誤して作ってくれたのが嬉しかった。
多分俺専用の裏メニューになってただろう。
ローテーションのメニューが3つに増えた。
そんな店長に俺は最後の挨拶が出来なかった。
Uターン就職が決まって引っ越すからもう通えない。
最後に食べ納めして行けば良かったんだけど、当時ゴタゴタしてて結局行けなかった。
向こうからしたら常連客が突然来なくなって心配しただろうか?
死んだとか思われたかな?
俺が宛メやめたら
「あいつ見かけなくなったな」くらいには思われるだろうか?
今度東京に行ったらまた食べに行こうかな。
あの時の店長がいるか分からないけど。
そう思ってネットで検索してみた。
2020年に閉店してしまったらしい。
嬉しかったことを思い出したのと、
もう食べられないし会うこともないんだなという寂しさ。
入院生活でたまたま思い出した昔話。
またそんな店に出会えるだろうか。
誰でも無料でお返事をすることが出来ます。
お返事がもらえると小瓶主さんはすごくうれしいと思います
▶ お返事の注意事項
良いお店と知り合えたのですね。素敵な思い出ですね。
ゆきさんがここからいなくなったらどうしたんだろう?と心配する人たちや寂しく思う人たちはいますよ。
きっとそのお店の人も心配したと思います。
そのお店が閉店してしまったのは寂しいけれど、病気が良くなって退院したら、またそんな素敵なお店と出会えるといいですね。
ななしさん
良い店長だなー
誰でも無料でお返事をすることが出来ます。
お返事がもらえると小瓶主さんはすごくうれしいと思います
▶ お返事の注意事項