(独り言)
…蝶になりたい蛾の、
カエル関連のお話です。
長くなります。
ランニングを始めて五日ぐらい。
二日分の筋肉痛で足を痛めたので、
三日連続は断念。
だけどその後、今ランニングに至る。
カエルが好きで、一ヶ月か前か、
二階トイレ窓から飛び出すカエルやら。
何故か締め切った風呂にいる、
カエルやら。色々あった。
…こんな思いに耽る前のことか。
お昼頃ランニングについて、
頭を廻らせていた。
さすがに母に心配を掛けてまで、
することか?
いや、夜を選ぶには理由がある。
人と会いたくない。
朝より夜を見たいのだ。
虫の鳴き声。星空。月。
余談だが…今宵は満月に見えるな。
少し欠けているようにも見えるが。
ツッこまれるかもしれないが、
学校はズル休みでサボっている。
ランニングより、
今の自分を責め立てる思いに駆られた。
まだ行く気にはなれないと、
ナマケモノのように欠伸をしたとき。
母が俺の部屋のドアを叩いた。
他愛もない話が繰り返される。
学校へ何故行かないのか、
と聞かれるが。返事は保留。
俺にも何故行かないのかが解らない。
そんな、
言い訳紛いのことを空に浮かべながら。
不意に、母が俺の顔を見てにやける。
俺もニヤケ返しながら、
「何だよ」と声をあげた。
「ラクダみたい」
…俺のまつ毛のことである。
そんな話を打ち切るように、
とりあえず用がないなら、
もういいだろ。と追い返す。
部屋から笑いながら出ていく母。
「…なんか消耗した。」
俺は欠伸の代わりに溜め息を付くが。
再び突然、ドアは開かれた。
「何?」
俺は不意を突かれたが、
平静を装いながら言う。
「ベランダに干からびたカエルがいる」
妙に、嫌な予感がした。
母がうっとおしくついてくる。
枕元にカエルを置かれるのが嫌だから、
だとかなんとか。
俺はそんなことする筈もないが。
不安や葛藤に苛立ちが混じり、
無口になる。
網戸を開け、ベランダの隅を見た。
ひっくり返った、
カエルのミイラがあった。
あのカエルではないか?
体格が似ている。
大きさも、
今まで家のなかで見てきたカエルと、
ほぼ同じだった。
カエルの元体を手にのせ、
母に「ベランダから落とせばいい」
とか言われたが。
それはしなかった。
いや、出来なかった。
あの時、感情を押さえるのに必死で、
大分無言になってしまったな。
とにかく、庭に埋めることにした。
何故そんなことをするのか。
…なんとなくだ。
もし別のカエルだったら?
…なんとなくだ。
なんとなく、カエルの墓を掘った。
墓と呼ぶには粗末。
これはただの、小さな穴だろう。
もし。もしもだ。
コイツがあの時会ったカエルで、
俺が声をかけたカエルなら。
助けてやれず、すまなかった。
もしかしたら、
ランニング初日のカエルは、
そのことを伝えるもの。
だったのかもしれない。
小説でも何でもない、
ただの独り言だが。
伏線という奴だったのかもしれない。
自然界ではよくあることかもしれない。
だが、どうにも不甲斐ない。
せめてもの思いに、
埋めた墓に水をやった。
コップ一杯分。
カエルにしては多いだろうが、
あれなら潤せるかもしれない。
手を合わせ、今。
思いに耽りながら小瓶を書く。
出会いあれば別れ。
…モヤモヤするな。
夜は綺麗だ。
このコンタクトさえなければ。
別れの次は出会いだ。
ちょっと期待しながら、
しかしそんなこてはないと、
家路に着く。
そうだよな。こんな寒いんだ。
カエルは土の中でお休みだ。
公園のベンチで、少し足を休ませる。
ホントに会えたら良いけど。
草むらを少し眺める。
草に水滴が付いているが、
それらしき姿は見えない。
やっぱそんなことないよな。
漫画や小説じゃあるまいし。
そろそろ帰ろう。
なんとなく、独り言を言い出す。
「当たり前、だよな」
ふと、水のみ場が目にはいる。
何故だろう。
水が出ているのだ。
カエルは湿ったとこにいるからな…
まぁそんなわけは。
そう。なかった。
諦めの思いは砕かれた。
水の滴る排水溝付近に、
潤うカエルが。いた。
あのカエルと体格は違うが…
別れあれば出会い。
それは、当たり前かもしれない。
さて、寒いので帰るか。
おお。寒い寒い。
(この小瓶はノンフィクションです)
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ななしさん
カエルくん、連れて帰らなかったのは、また別れるのがイヤだから?
うちにも、5年ぐらい住み着いてたカエルがいた。
冬は朝顔の竹の切り口に住んでた。
土の中で冬眠しなくても寒くないんだなぁと思ってた。
カエルくんは寿命が尽きて、竹の中で干からびた。
次の年、違うカエルくんを捕まえて、竹の中に入れてみたけど嫌がられた。
やっぱり、人と同じで相性とかあるんじゃないかなぁと思う。
蛾くんのお友達ガエルは、その子だったんだね。
またいいお友達ガエルに逢えますように。
ななしさん
うちの従姉妹3姉弟(上から順に、姉、妹、弟)にも、カエルエピソードがあります。
私よりも5歳下の男の子なんですが、その子に。
S太郎(あだ名)っていうんですが、小さい頃住んでたおじいちゃんの家(周りはたんぼばっか。)の玄関先に、プラスチックの筒が、突き立ってたんです。
ちょうど、小学生の低学年の子供の目線くらいの高さの。
(低学年の時、私が突き立てたんですけど)
んで、そのプラスチックの筒に、いつの頃からか、小さなカエルが住み着いたんです。
S太郎が筒をコンコンとつつくと、そのカエルが、ぴょっこり。顔を出すんです。
そのまま、たんぼに降りるんです。
(S太郎以外だと、出てこない。)
外にいても、S太郎がコンコンと筒をつつくと、どこからともなく飛んできて、また筒に入るんです。
S太郎だけが、そのカエルを呼べたんです。
今思い出しても、不思議でなりません。
あの家では、不思議な事ばかりがおこったな、と今でも思います。
今は家は人手に渡り、あのプラスチックの筒も、取り外されてしまいました。
あの頃、S太郎は、カエルを「友達」だと言いました。
だから、カエルも応えたんだろうと、思います。
硝子玉
ななしさん
小瓶主のおもしろい話とかシュールなのとか大好き!!
また見たいなあ
ななしさん
蛙の季節ですね。
いつも謎なのですが、
何故 雨が降る度、道路におびただしく出てくるのか。
頼むから田んぼでおとなしくしてくれと願っています。
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