こんな事になるなんて予想もつかなかった。
私たちを襲ってくる原住民、怪物
だけど、私たちは希望を捨てない。
大切な人──弟者さんを見つけるまでは
私たちは決して諦めない。
大切な人を探すため、三人のサバイバル生活が幕を開ける。
[二〇十八年九月二十日]
「わぁ、すごいですね」
飛行機の窓から外の景色を見ていて、今日五回目にもなる感嘆を漏らしていた。
「茉莉花ちゃん、それ何回も言ってるよね」
隣に座っているおついちさんが私に突っ込んできた。自分でも言い過ぎだと思っているが、飛行機に乗るのもこれが初めてだから仕方ないと自分に言い聞かせた。
「いいじゃねえかよ。茉莉花飛行機乗るの初めてだからな」
反対側の通路側に座っている兄者さんがおついちさんにそう言った。
2BROの三人は飛行機に乗ったことがあるとラジオで言っていた。
「いいじゃん、二人とも。茉莉花ちゃんは楽しんでんだから」
兄者さんの隣に座っている弟者さんがうまくまとめてくれた。助かったよ、弟者さん。
こうして見るとほんと三人って仲良いなぁ。少し羨ましく感じてしまう。
私にも妹がいたけど、あらゆる面で差があったせいで仲良くできなかった。
自分がもっと普通だったらよかったのに……こう思った事は数えきれないほどあるだろう。
思考がだんだん暗い方に走っている私は鞄からスマホを出して、気晴らしに自分のツイッターを見た。
ツイッターで事前に三人と旅行することは報告してある。
アンチコメントや炎上するかもしれないと思っていたが、
「日々の疲れを吹き飛ばしてきてください!」
「旅行明けの動画楽しみにしています!」
など、思った以上に励ましなどのコメントが多かった。
改めて、私のファンや2BROのファンは優しいと思った。
文字数が多いので、続きは#2にて