私は、小さい頃から祖母の家に預けられることが多く、祖母宅の近所で友だちと遊んでいました。
しかし、祖母の教育は厳しく、祖母の決めた友だち以外と遊ぶと祖母は私を強く睨みます。
特に、祖母宅の隣に住んでいた友だちは祖母のお気に入りではなく、遊んではいけない決まりでした。
ある日、隣の友だちの家に赤ちゃんが産まれました。友だちの弟です。
他の友だちは、みんな産まれた赤ちゃんを見に隣の友だちの家へ遊びにいきました。
私は、祖母に許可してもらえませんでした。「お前のような汚い人間が赤ん坊に近づいたら、赤ん坊が死ぬ。」と言うのです。
一生懸命綺麗にしましたが、許してくれることはないまま、小学も、中学も過ごしました。30歳を過ぎた今も、友人の弟を見たことはありません。
その間、ずっと、ずっと、汚い、汚いと言われて過ごしました。
私は、今も子どもを触ることができません。
子どもを見ると、途端に自分が汚いものに思えるからです。どんなに身体を洗っても、外見を綺麗にしても、「近づいては行けない」と頭の中で声がします。
私は、今も汚い人間です。
これからも、汚い人間です。