小学校からの親友に会った。
同じ中学校で、高校は同じところを受験して友達は合格し、私は不合格で第2志望へ進学した。
大学受験は、私は指定校推薦で進学先が早々と決まり、友人は国立大学を受けると聞いていた。
そして先日、友人の受験が終わったと報告を受けたので今日会うことになった。
上野へ行き、ランチを食べ、カフェでお茶をして帰った。
友達と会うのをとても楽しみにしていのに、話していくにつれてどんどん心に黒いものが溜まっていくような気がした。
友達といる時はその感情を無視していたが、改めて考えるとそれは嫉妬なのではないかと思った。
もちろん友達の受験は心から応援していたし、合格を祈っている。
でも、「もし第1志望の高校に進学していたら」と考えてしまうのだ。
私の高校生活はとても充実していたし、大学もずっと学びたかったことを学べるとワクワクしている。後悔はないのに、そんなことを思うなんて欲深い人間だ。
第1志望の高校に進学しても、努力をしなければ友人の受験した大学は受けられないし、私にそんな努力ができたとは到底思えない。
そんなことはわかっている。
それでも、「もし、、、」と考えてしまうのは、中学の頃友人を下にみていたからだろうか。
中学生の頃、私と友人は大差ないように思えた。むしろ、私の方がちょっと頭が良いと思っていた。
私はほとんど毎日塾に通い、対する友人は3年の一学期から週に一回だけ通い始めただけだった。
友人はしきりに私のことを「頭がいい」と褒めてくれ、私は「そんなことないよ」と言いながらも満更ではなかった。
中3の秋、受験で利用する評定がでた。友達はオール5で私は41だった。悔しかったけど、私は合格する気満々だったし、むしろ当日の点数は、塾で長く学んできた私の方が取れるのではないかと思うほどだった。
しばらくして、模試での成績が振るわなくなった私は第1志望のレベルを1つ下げることにした。そう、この高校こそが友人が第1志望にしていた高校だ。
それを友人に伝えた時、友人は焦っていた。いや、私がそう感じただけかもしれない。
それでも私は友人が、自分よりも頭のいい私が受験をすることでライバルが1人増えるから焦ったのだと曲解した。
受験間近になり、友人に「今から新しい参考書始めるのヤバいよね。」といわれた。私は、塾から「もう新しいことはするな」と言われていたので、そんなことを聞いてきた友人を心の中でバカにした。
そして受験当日。受験会場へ「一緒にいこう」という友人を、「塾から1人で行った方が良い。と言われているから」と言って断り、1人で向かった。教室に入って驚いた。友人と席が隣だったのだ。
受験中のことはあまり覚えていない。実力を全く発揮できなかったのだ。昼休みに泣きそうになった。
受験が終わったあと、私は自分の不合格を確信していた。
それでも変なプライドは残っていて、友人に「教科ごとの休み時間、必ずトイレ言ってたよね。」と言われ、自信満々に「塾の先生に気分転換になるから必ず行けといわれた。」と答えたのは覚えている。
結果発表の時、私の番号はなかった。友人は、私が合格ていると思って「おめでとう」と声をかけてきた。私は何も言えなかった。
このように、私は常に友人を見下してきた。今もどこかで友人より勝っているという気持ちがあるから、友人の活躍を心から喜べないのだろう。
友人が国立大学を受けれたなら、私も受験できたのではないか。
高校3年間でついた差は大きく、環境によって人はここまで変わるのだと思った。
しかし、友人と自分は違うんだという認識をもつ必要がある。隣の芝が青く見えるのは、人間の性だ思って諦めるとして、自分が何をできるのか考える必要がある。
自分はどうやらプライドが無駄に高くて、常に人よりも上にいたくて、自分よりも勝っていると思った人間には嫌悪感さえ抱いてしまう弱い人間らしい。
これからは、少しずつこの弱さを受け入れて、生きていきたい。
