9月に入って、ホームセンターの店頭に除雪機を見かけるようになった。もう秋、そしてそう遠くないうちに冬が来るのだと実感する。この北国は、四季の違いがあまりにも明瞭だ。遅い春には大量の桜が街に舞って、盛大な祭りで短い夏を精一杯楽しみ、祭りが過ぎると一気に肌寒くなってきて木々が色付き始め、じきに雪が街を埋め尽くす冬がくる。長くて雪の多い冬はみんなあまり好かれない。俺は一軒家じゃないからまだいいんだけど、一軒家の人は除雪とかがすごく大変だから、まあみんな冬を嫌がるのは当然だよな。車通勤の人は、雪どかさないと仕事にもいけないし。それでなくても、なかなか晴れ間のない日々は心も暗くなりそうだ。
だけど、雪の日々の合間に、たまに晴れた時、めっちゃ綺麗な景色のときがある。降り積もった雪の白色と、空の青色がくっきり分かれて、真っ白な山々が真っ青な空に鮮明に浮かび上がる。雪に反射した明るい日差しで心も晴れるような光景。その景色を見るだけでも、ここに住んでて良かったと思えるし、まあ冬もいいものかな、と思えるのだ。