宛名のないメール

親友はいつも僕に愚痴を言う。

もう辞めた職場のあの人が嫌いとか、まだ働いてる同期が辛そうだとか。
わざわざその同期との会話のスクショなんか載せちゃって。
事あるごとに「あの会社クソだな」「どうしようもなさすぎて困る」「どこだかの部署のあいつは悪だ」って。

そんなこと、僕に言われても困るよ。

……そりゃ、あの子には他に相談できる人がいないのはわかってる。
家族も親戚もあの子を理解してはくれないし、まともに話せる友達も僕しかいない。
だから僕に言うしかないのは、理解できるよ。

でも、僕はそんな話なんて聞きたくない。
誰かの愚痴を聞くたびに、心が痛んで仕方ないんだ。
今にも涙が出そうだ。スマホの通知音が鳴るのが怖い。
頼むからもう、何も言わないでよ。

こんな気持ちはわがままだ。
あの子が愚痴を吐ける人は僕しかいないんだから、僕が聞いてあげるしかないんだ。
これは僕側の問題で、僕が何でもすぐ気にしてしまうからで、簡単にスルーできないからなんだ。
職場やご近所や親戚の愚痴ばかり口にする母親と、あの子を重ねてしまうだけ。

僕は聖人でいなきゃいけない。
傷つく痛みを知ってるから、誰も傷つけたくない。
人を傷つけたら、その痛みが僕にも返ってきて、余計に辛くなるから……。
聖人でいる以外の選択肢なんて、僕にはない。

愚痴は人を幸せにしない。それは僕が身をもって知ってる。
だけど、受け取った愚痴を溜め込み続けたら、今度は僕が壊れてしまう。
そうしたら、あの子が何でも話せる人がいなくなって、共倒れだ……

……強く、ならないとな。

名前のない小瓶

118341通目の宛名のないメール

小瓶主の返事あり

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お返事が届いています

ななしさん

友人なら本人と
話し合う
友人少ない人と知ってるなら
彼が話し方
切り出し方わからず
気が付かないのも
知ってるはず
親友と自負するなら
僕なら見捨てずガチだけど

ななしさん（小瓶主）

お二人とも、お返事ありがとうございます。
小瓶主です。

お二人のお言葉で、少し心が軽くなった気がしました。
僕は昔から休むのが苦手で、ストレスも溜め込みがちで……。発散するのも大事なこと、ですよね。

もう少し自分を大事にしようと思うことができました。
改めて、お返事ありがとうございました。

ななしさん

たまには、聞き役を休んだり、怠けたりして良いですよ。

聖人は、なろうとしてなれるものでもないですから、
無理してご自身を追い込まないでください。
「たまに逃げる」を覚えるのも、強くなる方法の一つです。

誰かの為にも、自分の生活が脅かされないこと、大切にしてください。

よかったら、カウンセリングとか活用してほしいですが、
ひとまず、スマホが鳴るのが怖い時は、通知を見ない状態を作ることを、自分に許しましょう。

お友達には、事前に、連絡が取れない期間が出来ることを伝えて、
アプリがスマホに通知を送らないように設定する。
機内モードにして、オフラインでスマホを使う。
スマホの電源を切って、他のことをする。

それで、心が休まる時間を作ってください。

お友達のことが気になるなら、まずは、2時間とか短時間からはじめても良いです。
連絡取れない理由は、仕事、勉強、映画とか、
その時間は集中しなきゃいけない事柄があるからで、どうでしょうか。

定期的に連絡を休む癖をつけてほしいと思いました。

愚痴は、小瓶主さんの言うとおり、人を幸せにしません。
字の通り、愚かで痴れたものです。
小瓶主さんが、愚痴と距離を取れますように。

ななしさん

一人カラオケで叫んでぶちまけて来い！(不謹慎ですがコロナ鍋なので一人で行ってこいと言いやすいと思います)

モテるための雑誌や本を渡してあげて「さっさと彼女作ってディズニーランド行ってこい」でいいと思います。

小瓶主さんの他の小瓶

寮の人たちがうるさくてつらい。あのひとたちが嫌いすぎて、顔を見るだけで泣いてしまう。ごはんやお風呂の最中もびくびくする。どうすればいい？小説を書く時、昔言われて嫌だった言葉を無意識に避けるのやめたいな。でも、昔のことと無理やり向き合って心を壊すのも怖いや。どうしたらいいのかな。

以下はまだお返事がない小瓶です。お返事をしてあげると小瓶主さんはとてもうれしいと思います。

遠くに行きたい。恋人を捨てて、忘れて、子供とまた1からスタートしたい。このまま一緒に居て本当に幸せになれる？自問自答の日々。今日は本当に最悪の日でした。明日なんて来なければいいのに。この間、美容室行って美容師さんと会話したわけだけれど……実際声に出して話したことと、脳内に留めた言葉が半々。って感じ。本当はもっと話したい……！ような、話すのめんどい……ようなあんな嘘つかなきゃ良かった。結局自分を偽ったって離れる人は離れるのに。誰かを傷つけてまで生きていく資格なんか私には無いんだだから死なないと自分勝手でわがままで自分の事だけで精一杯で他人の事なんて考えられなかったあの頃。ずっと1人で私の夢は・・・「短編小説」転職先にて。詰めの甘い先輩の指示通りにうごくと必ずその上の人に書類の不備や記入漏れで鬼の首を取ったかのように叱られる。先輩がいった通りに作成し、提出しただけジャン。子供＝希望に溢れた時期として扱われるけど虐待と性被害で育った私にはそんな時期なんて１ミリも存在しませんでしたけど将来が絶望でしかなくて詰んだたのしみたかった虚無。苦しみ、悶え、逃げ出したくなるような日々。何処にも居場所なんてない言葉だけが何処にたどり着くはずも、届くはずもなく落ちる子供の心配をしなくてすむ日は来るのかな？死ぬまで続くのかな。心配できるうちが幸せなのか。お疲れ様です。よく頑張ったね。偉いよ。凄いよ。私のどうでもいい愚痴。

親友はいつも僕に愚痴を吐く。親友には僕以外に信じられる人がいない。だけど、あの子の愚痴を聞くたびに、心が辛くなる