誰よりも小さい鳥籠にいて
誰よりも大きく羽ばたける気がした。
ここは自由だ。
なにをしてもいい。
誰かを迎えるのも、拒むのも。
自ら生み出した問題も、他から与えられた問題も。
無数の答えを作って、どれを選択するか……
主導権は「わたし」
鳥籠の中いっぱいに広がる
大空も
大地も
大海も
全てわたしの思い通り。
大切な羽の、色も形も好きにする。
真っ黒で尖った、柔らかい羽。
淡い桃色で、丸みのある鋼鉄の羽。
変?おかしい?
その言葉を受け入れるか、受け入れないか。
ここはわたしの家だ。
居心地が悪くならないよう、わたしの居場所を守るため最善を尽くし、それを最良とすることができる。
そう。だって、ここは
「自由」だ。
自由過ぎる、狭くて小さい広くて大きい鳥籠。
わたしは
ここで生きている。