自分の本心が実現することには重要な意味があるのだろうか。快楽ではない何かが。あるいは快楽こそ重要なのか。そもそも重要とは何がどういう風に？

自分の本心が実現することには重要な意味がある

のだろうか。快楽ではない何かが。あるいは快楽

こそ重要なのか。そもそも重要とは何がどういう

風に？自分探しは現状の不満から逃げているだけ

だと思う。自分を追い詰めてもいいことはない

けれど。つまり自分の本当の欲求を追求するのは

間違っているのか。やってみればいいじゃん。

それだけのこと。怖いんだよね多分。理想が

実現してしまうのが。叶ってはいけない。許され

ない。そう思うのは客観的におかしいことは

分かっても深く刻まれている呪いのようなもの。

ならば自分の欲求を追求するのは置いておいて

地球のことを考えてみよう。自分が地球だとして

どういう星になって欲しいと願うだろうか。幸せ

という言葉が浮かぶ。絶望と相対する幸福。これは

物事の表裏を表しているのであって地球からすれば

どちらの状態であっても命が生きていることは同じ

である。時間軸。過去から未来にかけて一見進化

しているように見える。これは人間の幸福感を基準

にしているからではないだろうか。幸福感が増大

することが正しいという前提があるならば物事は

進んでいるように見える。一方でどんな形であれ

全ての命が生きていることが正しいと考えれば

過去も未来も常に完全であり何も進んではいない、

進んで行く必要がない。人生を考える時、自分の

本心の追求で行き詰まったが、地球の視点で考えて

みても方向性を感じない。生と死、幸福と絶望、

喜びと哀しみ、何を取ってもただ生命を表している

だけである。幸福至上主義とも言える世界が続く

限り、死や絶望や哀しみは敬遠され、それはすな

わち、生や幸福や喜びを遠ざけることにもなって

しまわないか。仏教では因縁果の道理が言われる。

無数の因縁が結実して今に至ると。過去の行いが

今へ、今の行いが未来へ報いる。これは全ての物事

に当てはまるように思えるが、幸福＝善へ向かおう

と行動する人間にしか意味をなさない道理でも

ある。確かに人は幸せになりたいと願うけれども

本当に全ての命が幸福感で満たされる世界が

正しいのだろうか。そんなことはあり得るの

だろうか。幸福でも生でも喜びでも絶望でも

死でも悲しみでもそれら全てである命を考える時

愛おしいと感じる。つまり幸福を目指すのでは

なく光と闇が一体である命を真っ直ぐに見つめる

時の慈しみの心、これを育てて行くことが地球の

願いなのかもしれない。具体的にどうすれば

それは叶うのだろう。例えば速く走れるように

なりたい。目標が叶うことを目指すだろう。速く

走るための試行錯誤の過程で感じる記録が伸びた

時の喜び、伸びない時の苦しみ、諦める時期の

葛藤、それら全てが大切である。

例えば病を克服したい。悩んでいる症状が軽く

なった時の喜びありがたみ、なかなか変化が見られ

ない時の不安恐怖もどかしさ、病が治るか治らない

かは、命の側面を表しているのであって、大切なの

は生きて死にゆく命そのもの。生きるか死ぬかでも

安堵か悲しみかでもない。生きようとする力と向き

合うこと。寄り添うこと。一生懸命取り組んでいる

こと、大切にしていることこそ結果に拘るもの。

当然ではあるが一呼吸置いて、一旦立ち止まって、

それらの過程を思い出し、光と闇を感じ、前進

しようとする当人の情熱、命を称えて寄り添って

みよう。