私の最初の記憶。
もうすぐ私が2歳になる6月の真ん中頃、弟が産まれてお母さんと一緒に家に来た。
それまで毎日私が真ん中で親子3人川の字で寝ていたのに、お母さんが出産のために入院してた1週間くらい、おじいちゃんのところでおとなしく待ってたのに、弟が来たとたんに私の寝る場所は弟に取られて、私は母の背中と窓の間で寝るようになった。
もちろんスペース的にはちゃんとあったし、寒い思いもしなかったと思うけど、弟への授乳のために向けられた背中が20年以上たった今でも忘れられない。
この前お母さんに話してみた。
あのときはすごく悲しかったよって。
仕方ないでしょ、あなたも母親になればわかるよ、そう言われた。
たしかに母の気持ちはわかるかもしれない。
だからといって私の受けた心の傷が癒えることもないし、最初の記憶が塗りかえられることもない。
ただ一言、私が寂しい思いをしたことを認めて労ってくれればそれでよかった。
ごめんねでも、ありがとうでも、頑張ったねでもよかった。
言い訳は聞きたくなかった。
私は今インナーチャイルドと日々を生きていて、冬は私自身が人肌恋しくなることもあるからインナーチャイルドも泣いてる日が多い。
甘えたいけれど、甘えたくない、甘えられない。
好きになってしまったら、その人の1番になりたくなってしまう。
1番になれたとして、優先順位が下がった瞬間、私は本当に立ち直れなくなってしまうかもしれない。
小さい頃、母に何度もきいていた。
私と弟どっちが好き?
いま思えばあの頃から私は苦しんでいた。
いまだに別れることが怖くて彼氏はできたことがない。
きっと私には結婚はできても子育てはできない。
私のまだ見ぬ旦那さんを取られたら子どもにまで嫉妬してしまいそうだから。
両親のことも、弟のことも恨んではいない。
だけど、心から好きと言えるかと言われるとどこか引っかかってしまう。
そんな自分にまた嫌気がさすのだけれど、全ては過ぎてしまったこと。
アレコレ考えるよりもインナーチャイルドと仲良くなるのが明るい未来への第一歩なのかもしれない。