ねえ、先生?わたしのこと覚えてるかな?
何処にいっちゃったのか、わからなくて、あの時のわたしはただ泣くことしか出来なかったよ。好きだったなんて、近くにいるときは全然気付きもしなかった。冷たくしちゃった、たくさん貶しちゃったよね。いまさら、気付いた。
だけど、そんなわたしに貴方は笑いかけてくれたよね。……純粋な笑顔で。貴方ほど、大人でそんなに綺麗に笑える人なんていないよ。わたしはそんな笑顔を見るたびに、『馬鹿じゃないの』って言いながら、言葉がでなかったんだよ。
付き合いたいとかじゃなくて、あなたの笑顔が見れればいいって思ってた。受験に受かったら、先生が喜んでくれるって思ったからがんばれた。だけど、何も言わずにいなくなっちゃったね。わたしも問おうとしなかった。
もう逢えないと思うけど、逢えたら『ありがとう』って伝えたいよ。今、好きか聞かれたら違うけど、わたしにとってあなたはずっと大切なひとです。絶対、絶対、幸せになってね。いや、なれるよ。あんなに優しいあなたなら。
これをよんでるひとに伝えたいのは、いつ大切なひとがいなくなるかわかりません。きっと、言えるときに伝えないとあとで後悔しちゃいます、わたしみたいに。
だから、たった一言でも照れ臭くても、大切なひとに『ありがとう』って伝えてみませんか?きっと心が暖かくなるはずです。笑顔になれるはずです。
そうやって、たった一言が笑顔に変わって、世界は回っているのですから