私には小さい頃からの夢がありました。夢と言っても明確なものではありません
でしたが「絵」に関わっていたい、というものでした。
小さい頃何個か賞をいただいてどこかに飾られたりなどしました。すごいね、と
親に誉められとても嬉しかったものです。
中学三年生のとき進路は長く夢見ていた絵を専攻する学科がある高校でした。し
かし、それを親に相談するとキッパリ駄目だと言われました。その時の父親の言
い分は「ちゃんとした高校に行ってもっと常識力をつけてからだ、高校を卒業し
たら好きなところに行かせてやる」ということでした。私は当時子供だったので
納得がいきませんでした。悔しくて、夜一人になるといつもこっそり泣いていた
気がします。
でも子供だった私にもわかっていました。
常識力云々の話は少なからず本心だとは思います。でもそれ以上に家にはお金が
ないということを私は知っていたのです。
だから私はずっと我慢しました。あと三年。高校三年間を我慢すれば絵の勉強が
できる、と自分に言い聞かせ高校生活を過ごしてきました。
そして高校生の進路を決定するとき。
私は専門学校に行って絵の勉強をし絵に関わる仕事をしたい、と親に相談しまし
た。あの時好きなところに行かせてやる、お前が憎くて行かせないわけじゃない
と言っていた親ならわかってくれると。
ですが、答えはNoでした。
私は理由を尋ねました。すると父親は「絵なんて職が安定しないものは駄目だ、
そしてそんな学校にくるやつらは元々凄くできるやつで０からスタートしている
やつなんかすぐに追い越されてしまう」
「他にやりたいことはないのか」とまで言われてしまい当時の子供だった私には
もうどうすればいいかわからなくなってしまいました。親には何回も私の気持ち
をいいました。ですがずっと「職が安定しない」「今からじゃ遅い」と。とりあ
えず大学に行ってお金を貯めて…と言えば「勉強が嫌いなうえに行きたいと思っ
ていない大学に行かせる金はない」とも言われてしまいました。
そして私はみんなが進路を決め忙しくいている中で一人ずっと悩んでいました。
そして同時に軽く自暴自棄になっていました。どうせ私には関係ないと学校も休
みがちになってしまいました。
仲が良かった子の一人に絵の専門学校に行くという子がいました。当時の私は凄
くいやな奴になっていてその子の前では「頑張って」なんて言っていましたけれ
ども心の中では「どうして私より下手なこの子は行けて私は行けないんだ」「ど
うせこの子だって職につけないで終わるんだ」
絵なんてそんなものだ
と思っていました。
本当はこんなことを思う私はすごく嫌なやつだということも、僻んでいるだけだ
ということも、家にはお金がないことも、親は私の将来を心配してくれていると
いうこも…本当はわかっていたのです。
でもお金がないならないと、才能がないからやめておけと、言ってくれた方がま
だましでした。
でもそれもきっと親の気持ちなんだろうということもわかっていました。
そして子供だった私は色々な私の中の思いに耐え切れず進路から逃げてしまいま
した。
フリーターでお金を貯めればと思い夢見ながら最初は少しずつお金を貯めていま
した。…ですが次第にこんなに大変な思いをしてまで私は行きたいのだろうかと
思い始めてしまっていたのです。
そして段々と貯める量は減っていきました。
ある日犬を飼い始めたことを切っ掛けに父親が「動物関係の学校に行ったらどう
だ」「動物関係なら今需要も多い」「職につけるなら金はいくらでもだしてやる
」と。
正直とても複雑でした。小さいころから動物は大好きでしたが父親の言葉一つ一
つが私の心に刺さっていたからです。私は最初の進路のあたりから(もしかしたら
その前からかもしれませんが)父親に頭があがりません。元々父親が性格的に苦手
てなことから私は父親にあまり意見しない子になっていたのです。
そんな私がいやだとは言えるわけもないしずっとフリーターのままでいるわけに
はいかない、これは父親の好意なのだから受け取らねば、と動物看護の道へと進
むことになりました。
四月から学校をなんとなくすごしていてまるで高校のときに戻ったみたいだと思
っていました。父親に学校はどうだ？楽しいか？と聞かれても、大変だとしか言
えませんでした。
ですが今、私にはやりたいことができました。それは声優です。
きっかけはバイトで監視カメラを見ることがあり、私は声がとても低いので接客
のときはかなり声を高くしていたのですが監視カメラ越しの声は全然高くなって
いなかったのです。それがとてもショックでした。元々この低い声が好きではな
かったのでなおのことショックだったのです。
ですが声優という職業ならこれは生かせるのではないか、と思い始めたのです。
最近はそのことをずっと考えています。声優も現在物凄く目指している人がいま
す。例え技術があっても収入が不安定な人もいます。現実は甘くないのだと、わ
かっています。
でも興味があることを、夢を、諦めてしまったのが悔しくてもう一度追い掛けた
いのです。
あのときの絵に関わりたいと思っていた気持ちは嘘ではありません。今でも本当
は絵に関わりたい。今でも絵の学校に行っている方を見ると羨ましく思います。
でも絵は趣味でもできることができます。いつでも絵は描けます。そう思うこと
にしました。
学校があり前みたいに稼げないので少しずつですが今お金を貯めています。まだ
親には言っていません。言うつもりも今ははありません。もっと気持ちを形にし
てお金を貯めきったら、言うつもりです。
でもそれは父親の気持ちと親が必死で働いて出してくれたお金を裏切ることにな
ります。
だから私はどうすればいいのかわからないのです。
八月に体験学習があります。それに行くためには資料を請求しなければいけない
のですがそれが見つかれば早くも計画がバレてしまいます。今お金があまりない
ときにバレてしまえば台無しです。
まだ実際に学校に行けるのは今の学校を卒業して就職してお金が貯まりきった後
、もっと先です。
だからまだ体験談学習には行かない方がいいのか、など今とても悩んでいます。
今回、このメールを出すのにとても勇気がいりました。
現実を知らない若者の戯言だと、流してくださっても構いません。
でももし何か共感を感じて下さったり、思うことがあったり、がありましたらど
うかお返事をください。
長くなってしまい申し訳ありませんでした。
2008.70.24.20時配信
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