いつからか、お返事を書けなくなっちゃったみたい。
天邪鬼で口下手なあたしは、言葉を伝えるのに臆病になってしまったみたい。
自分と相手は違う。
そう学べば学ぶほど、あたしは言葉を呑み込んでしまうようになった。
あたしにとっての慰め、あたしにとっての安寧、あたしにとっての癒し。
全部あたしの視点から見た独り善がりな妄想で、それが相手にとって良いものかも分からない。
自分の意見を述べることだけが正しいとは思わない。
安楽椅子からの正論が武器になり得ることも知ってる。
分かってるよ、自分の中のお返事のハードルを上げているのは、紛れもなくあたし自身。
ただ一言、「辛い時は休んだって良いよ」と言えば良いのに、もし休みたくなかったら、休めない状況だったら、と無限の可能性に配慮して何も言えない。
ただ一言、たった一言なのに。
でも、あたしの言葉が無くたって、世界は上手く回る。
救う人があたしである必要はないし、救われる言葉があたしのものである必要もない。
寧ろ、あたしでなきゃいけない理由なんて在るのだろうか?
あたしは所詮この程度の人間、別の人でも代替可能じゃない?
まったく、酷い人間。
天邪鬼過ぎるのも治さなくちゃ。
ちゃんと真っ直ぐ純粋な言葉を持たなくちゃ。
4年くらい前、あたしのお返事で元気が出たって言ってくれた人がいたっけ。
その時の気持ちを全部無くしちゃったみたい。
ごめんなさい、あの時の人。