この小瓶には、#ゾムエミいわひらの二次創作小説が入っています。動画アーカイブをご覧の方のみ、拾ってください。

貴方の柊に

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注意事項

※本作品は、2024年3月16日、17日に〇〇の主役は我々だ！様のYoutubeチャンネルにて行われた、クトゥルフ神話trpg 「鰯と柊」#ゾムエミいわひらの重大なネタバレを含みます。
動画アーカイブご視聴後の閲覧を推奨いたします。

※本作品は、ゾムエミいわひらのネタバレを含みますが、本編とは一切関係のない二次創作(ifストーリー)でございます。

※捏造や個人的解釈を含みます。

※無断転載、パクり、参考などは全面禁止しております。

※誤字脱字や、言葉の使い方、文の区切り方など、間違えている箇所が多々あるかも知れません。
「中学一年生が書いた文だしな」と、どうか温かい目で読んでください。

※物凄く読みにくく、話の流れがよく掴めない小説となっております。

※感想や考察は大歓迎でございます。
お返事を書いて頂けると、わたくしのモチベーションにも繋がりますので、是非沢山のお返事を流していただけると嬉しいです。


※本作品はフィクションです。

それらを踏まえた上で、大丈夫という方は、先へお進み下さい。

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貴方を、救いたかった。

悪を持たぬ人間なんて、この世にいるのだろうか。悪が消えた世界は、果たして世界としての原型を留めているのだろうか。
それを知る権利は、私にはないのだが。

私は教祖様を愛している。
教祖様のために息をし、教祖様のために神に手を合わせ、教祖様のために働き、教祖様のために教祖様に1日3000回祈りを捧げる。
そして、教祖様のために人を殺す。
それが私の当たり前であり、教祖様への最大の恩返しであった。
教祖様のご負担を減らすために、いつかは誰かがやらねばいけないことだった。それが偶然にも私であっただけなのだ。

木々に邪魔をされて月明かりも入らぬ地面に、人を埋める。鮮血だって視界に映らない。
私はまたもや人を殺めてしまったと思いながらも、心の底では喜びを隠し持っていた。これで、教祖様のご負担も減るだろう、と。

しかし、やはり私は“悪”だそうだ。
私にとって、勿論人を殺すことは悪だと思う。
だが、私が殺してきた人間はただ殺されたのではない。それ相応の行いをしてきた罰ではないのか。
神としていることは、同じではないのか。
そう思っていてもそんな考えは残念ながら通用しない。郷には郷に従え、といったら良いものか。この神の前では、悪は悪なのだ。

消えていく私、胸に血の池を作る教祖様、音を立て落ちるナイフ。
私が、私の手で、愛すべき教祖様を。
両手が完全に消えた私には、このナイフを持つことができない。神を、人の手で殺すことはできない。
けれども教祖様は、何故だか笑顔を浮かべ、荒い呼吸を繰り返す。
せめてもの抵抗、神との決着。それはもう、ついたではないか。
そう言っておられるのだろうか。

あぁ、申し訳ございません教祖様。私は、私は、貴方を救いたかっただけなのです。
神様と同様である貴方のことを心から崇拝して愛していただけなのです。

そんな言葉も届くはずがなく。きっと、教祖様の意識も薄れておられるのだろう。
貴方の紛い物の心臓を、どうしても排除することができなかった。貴方を、殺してしまった。
あぁ、どうしてだろう。私は貴方のことをこんなにも愛しているというのに。人の死というものが、とても淡白に見える。
これも、日頃積んだ悪のせいなのだろうか。
いや、教祖様の残っている心臓が紛い物であるならば、私は“存在自体が紛い物”であったということか。
神を偽り、手を下してきた、罰なのだな。
それでも、最後まで貴方の隣にいることができて、私は光栄で御座います。



薄れていく体に、濃く刻まれる記憶。
それは、明野星辰と過ごした、楽しくも儚い思い出だった。
鰯はいずれ、群れに戻れず消えるだろう。その鰯がどんな形であれ、また現れるまで柊は300年でも待っている。

あぁ、教祖様。
私は、貴方の柊になれましたでしょうか。

柔らかく笑う“人間”の顔が、貴方にとってどれほど嬉しかったか。
貴方の中で、明野星辰は生き続ける。
いつまでも、いつまでも。

ーーあぁ、私は、幸せでした。



fin.


















柊の花言葉

あなたを守る