とうとうやってきた映画館デート。映画館はショッピングモールに内設されたところ位しか田舎には無くて朝から移動が必須条件。急ぎ足で家を出たけど汽車がくるまでの時間は15分で急いだ意味を見失いつつ駅構内に入った。同じ駅で乗るのは親友とお洒落さんでその後順番にあの子、二人の友達で乗車予定で例の友達は現地で会うことになっていた。私達とあの子の駅はそこまで時間は掛からなかったけど二人の駅までは結構掛かった。だから座席は四人で座っていた。お洒落さんはどうやら恋ばながしたいようで私達に持ち掛けてきたが生憎相手が相手なもので恋愛に興味の無いあの子と去年恋愛で痛い目を見た親友で二人はその誘いをはね除け部活の話に移っていた。私は早々人様に言えたものじゃないけど確かに恋ばなはしたかったから最近の気づき、自分より運動能力が高い人を好きになるっていうことを出汁にして多少は応答したが長続きすることなく目の前の二人の部活の話によって掻き消されていった。全員で合流したあとはお洋服を買ったり雑貨店を見たりして時間が来たら映画に行った。残念ながらあの子と席は隣になれなかったけど映画はもともと気になっていたもので学割とインターネット予約のおかげで2000円と掛からずに見ることができた。その後もちょろちょろと回り、買いたいものも無くなったところでカフェ休憩を取った。意外とまだまだ行きたいけど全員で行く程じゃない所へ行く人も多くカフェにきたのはお洒落さんと例の友達。今から次の企画だったり、買ったものについてだったり優雅に和気あいあいと会話を楽しんでいた。ふと朝の汽車でお洒落さんが言った恋ばながしたいを思いだしあーそう言えばとここにいるメンツをみてせっかく恋愛経験が私よりも多い二人に質問できる良い機会だと思い、好きな人ができたらまず何をするべき?と聞いてみた。今思えばこれは大変な悪手だった。質問に回答が帰ってきたがそれとともに疑問が同封されていた。「新しく好きな人できた?」と。あ、やらかしたなと思いつつ、素直に良い話のネタだと思い正直に答えた。恋ばなでは恒例の好きな人当てゲームも私には少々頭を使う必要があった。当てるなら外堀から徐々に埋めていくのもまた恒例で、イエス、ノー、答えなくないで構成された水平思考とも言える質問ゲームを楽しんでいた。途中お洒落さんが女子?男子?と質問したけどノーコメントと返すとじゃあ男子かなって考えはじめた。多分私がダミーを入れるのに女子を使ったと考えたんだろうなと高みの見物をしていた。カフェで頼んでいた紅茶を飲み終えて少しして別行動をとっていたあの子達が帰ったきた。二人は相も変わらず私に質問していて後からきた別行動の四人には話題の予想もつかないようで困惑が見て取れた。特にあの子は知らないことをそのままにするのが嫌いだからか直接私に聞いてきて今までの経緯をそのままに伝えた。いくら恋愛に興味の無いあの子でもさすがに友達で副部長という目に付く存在の弱みが気になるようで先程の困惑の色が一瞬で意地悪な好奇心の目に変わり、間髪いれずに誰?と聞いてきた。勿論言う訳もなく二人が飲み終えたところでカフェを出てバスに向かった。バスに乗ったら大体私は乗った順番の都合、一人で座ることになるのだがあの子とお洒落さんが何かを話しているのを聞き流しながら鳥の骨格をみていた。バスを降りると珍しく歩きスマホをしながらメモをとっているあの子がいたから何をメモしているのか聞くとどうやら私がカフェで言っていた特徴をお洒落さんから聞き出していたようでもう既に私がカフェで言ったことは粗方まとめているようだった。後一時間待ちの汽車の暇を潰すため駅構内のガチャガチャの天国や雑貨店に向かったが私は専らガチャの新たなラインナップが気になっていたのでそこだけで余裕で30分くらい使った。10分位には離脱してさっきのモールでも行っていた雑貨店の方に行っていたあの子と親友と例の方じゃない友達をお洒落さんと迎えに行って切符を10分前には買って乗り場に移動した。車内は遊びに来ていた学生たちの帰宅ラッシュらしく若い人達が多かった。それじゃ続きをと言うようにまた質問タイムが始まった。親友は裏を知っているのでそこにも配慮しつつ特定されないように、でも多少のヒントは与えつつ会話は途切れることはなかった。あの子もお洒落さんもどうやら私の思惑通りダミーの男子に目星を着けていた。が、当てれたらエスパーレベルで私の事を知っていないとまず無理だ。ダミーの男子は確かにかっこいいなとは思ったことがあった気もするがあの子の前では掻き消されるくらいに私のなかではどうでもよかった。見事に嵌まってむしろ驚いたがそれと同時に絶対当てられないことに安心した。あの子にその人に告白するん?と聞かれたがもちろんする気など毛頭無い。親友の方はというと二択まで絞っていた。だが答える質問はどれもその二択を特定できないようだった。さすがに親友なら大丈夫だろうがこの場にはまだなにも知らない三人がいるため候補者は挙げないで貰った。意外にも自問自答しまくった自分のひねくれ曲がったところを答えれば良い質問もあったのでそれで時間を稼ぎつつ、皆に良い話題を提供できたことに満足していた。困った問題はどれくらいの仲なのかということだった。もともと交友関係は狭いしなんなら今が人生で最大値のためさすがにここに突っ込まれるとダミーも無くなった状況ではいつぼろが出るか怪しかった。メモを取るあの子を物珍しく思いながら今日のデートに去年買った百均の指輪を着けている方が立場が上だと言い聞かせて座らせた。あの子には正解がいつになったら言えるか分からないけど、でもお洒落さんなら親友以外で言えるかも知れない唯一の人間かもしれない。いつかちゃんと言えたら良いな。そのときにはもう裁ち切れてたらいい。高校の時の私の血迷った黒歴史を酒の肴にして皆で笑えたら。
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ななしさん
青春ですね。
同性の女の子に告白して振られたあの頃を思い出しながら読みました。
僕は、トランスジェンダーに当たりますが、あなたもそうなのでしょうか?
僕はあまり頭が良くないので、あなたの文から全てを読み取ることは出来ませんが、もし同じ立場の方なら僕は応援します。
また、もしも既に終わってしまったものならば、僕のような変なのもいると思って、少しでも笑ってもらえればと思います。
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