宛名のないメール

今日もこうして、
名もなき小瓶を流してゆく。

緑色の味気のない瓶は浜辺の隅に漂着する。
私は、行き着いた小瓶がどれくらいの人に
拾われたかを物陰から見ているんだ。

ここでの名前が私にもあるんだけど、
しばらく使っていない。
人と繋がるのが、怖いんだ。

繋がりたくなきゃそうすりゃいーじゃんって
言うけどもね、そんなのできればの話だよ。
怖いくせに求めてしまうからさ。

私のことをよくいってくれて、
救ってくれた人からも逃げてきてしまった。
舞い上がる自分が恐ろしかった。
縋ってしまいそうになる自分が怖かった。
些細なことから連想された、
私をよくいってくれるあの人が
私の醜悪さを目の当たりにする瞬間の妄想、
にたじろいでしまった。
そんなの、あの人もわかっていただろうにね。
でも、こんなにめんどくさいやつだとは
気づかなかったかも。

誰かに悪感情を持たれることと、
自分自身の意外な角度から飛び出してくる
醜さへの過剰な恐怖。

そう、私ってどうしようもなく
他人と自分が怖いんだ。最近気づいた。
本当にごめんなさい、そしてありがとう。

でも、そんな私でもこうやって、
幾度でも「誰も知らない私」の
小瓶を流せる。
マメに見てる人で同一人物かどうか
見分けられる人に見られたら
1発でオワリなんだけどさ。

名無しだし、今は繋がりを重視する
人たちも増えてきたから
（私もああなれたらなと思うのみですので
批判の意図とかは全くないです）
なかなか見てもらえないものもあるけど。
それでも、自分自身のことを
こんなにさらけ出せるのはここだけだから
何度も何度もきてしまう。

うん、そうなんだよ。
ここに馴染んでいるのも
あるかもしれないけど、
こんなに、ただただ私のことを
だらだら話せる場所なんてないから。

と、ここでもう何も書くことがないや。
と、こうして、自由にも終われる。

本当に海辺のようだと思う。
穏やかで、ときどき激しくて、
とてつもない自由が広がっている。
いいね。

名前のない小瓶

175094通目の宛名のないメール

小瓶を保存

お返事が届いています

ななしさん（小瓶主）

砂月さんへ
小瓶主です、お返事ありがとうございます。
多分同年代の普通に知り合いじゃない感じの人です笑
あなたは役に立たないかもって言ったけど、私はあたたかい人にあたたかいお返事をもらえて今ちょっといい気持ちです。
きっとあなたが等身大に、あなた自身の言葉を紡いでいるからあたたかいんだろうなと思います。

過剰なコトバは私も苦手だなあ、とかいって、使ったりするんですけどね。
きっと飾り立てたことで芯に触れられないのが、寒々しく感じるんだと思います。　

砂月

何となくお返事を書きたくなったので。

僕は正直、あなたが誰かはわからないのですが。実は僕の知ってる人なのかもしれないし、違うかもしれない。

ただ僕はこんな、誰かの飾り気のない素直な本心に出会えるのが、とても好きです。

等身大で、そのまんまで、誰かの嘘のない気持ち。

やっぱりここでも、全員匿名とはいえみんな自分をわかってもらいたいから言葉を過剰に盛る傾向は見られます。

それはネガティブな言葉だけじゃなく、ポジティブな内容であっても、言葉が過剰過ぎて受け付けない時があります。

だけど時々、フッと人の心の丸い部分に触れられるような、そんな小瓶と出会う時があります。

僕はなんとなく、そういうのに安心します。

この小瓶もそのひとつです。

ただ、それだけです。
こんなお返事はあなたの役には立たないだろうけど。なんとなく、伝えたくなったので。

機会があったら、またお会いしましょう。

以下はまだお返事がない小瓶です。お返事をしてあげると小瓶主さんはとてもうれしいと思います。

なんでか分からないけど辛い。なんか、心の奥を鷲掴みされてるような感覚で、つらいんです。他にも、急に何もかもが嫌になることもあるんです社会に馴染めない、もう何年も働けてない… 「おつかれ」という言葉すら敵に聞こえてきた。親、勉強、部活、人間関係、容姿、すべてに悩んでいます。周りの人よりもずっと努力しているはずなのに何一つうまくいかない。思い違い？このまま時間が経って歳を取れば死ぬ。それまで私が忘れた事にすれば、先生は忘れてくれるかな。 APH界隈の人見ないで来週から仕事にいくのに必要なものを揃えるのにショッピングモールに行った。久々の人ごみに多少狼狽えながら買い物完了。仕事に行くようになれば多少はあの人の事は忘れられるかな。勉強してると、好きな先生のこと思い出してしまって、集中できなくなる…。自分の夢を応援してくれる優しい先生。だけど、その先生の期待に応えられない自分に嫌気が差す。妹へ。大嫌いです。あなたのことが。親のいないところで悪口ばっかり言ってきて。家での地位はあなたのほうが高いから、私が何も言えないのを知っていて、そういうのでしょう？頑張って整理整頓をしたんだ。自分の部屋と、リビングの一角。自分の部屋からやってあとから少しずつ整理していこうって。自分で考えてたのに。父親が勝手に手を出すから動けないのに少し嬉しいご報告？と、少しもやっとしたこと。きっと少しだけあなたを幸せにする……愛されたがりの物言わぬ者たち殺しが来たんだ。大きな音も立てて殺しなのかさバイクが家の前で嫌がらせをしている声を出して喋るのが億劫になってきた… 自分のやりたいことをやる　1日目

今日もこうして、名もなき小瓶を流してゆく。緑色の味気のない瓶は浜辺の隅に漂着する。私は、行き着いた小瓶がどれくらいの人に拾われたかを物陰から見ているんだ。