君といる毎日は
君といる空間は
いつもあったかかった。
君の笑う顔は
君のふざけた声は
いつも宝物だった。
ボクが泣く時は
君も泣いてくれた。
そんな君の存在が
ただただ嬉しかった。
いつしか…
そんな君を愛おしく思いはじめた。
好きだと気がついた。
まだ幼いながらボクの心は、この『気持ち』には名前があるんだと気がついた。
この気持ちを伝えれば、離れてしまうだろうか。
君との、唯一の共通点が、邪魔をした。
ボクは……『わたし』は……
とてもこわかった。
ボクの気持ちを何も知らない君は
またあの日も、
いつものようにボクと遊ぶ約束をして、
いつもの場所で待ち合わせをした。
でも、その日、ボクはとうとう決心したんだ。
君に『想い』を届けることを。
覚悟はしてた。
ボクの幼い心臓は今にも破裂しそうだった。
あの日、君は待ち合わせ場所には来なかった。
……もう二度と来れなくなった。
ずっと後悔してる。
あの日約束していなければ。
待ち合わせ場所を変えておけば。
ボクが君を迎えに行けば。
……もっとはやく僕の気持ちを伝えていれば。
交通事故で君が死んでから、俺は変わった。
ハハハ…どんどんとね、腐っていったさ。
君がそばに居ないから。
いや、変われてないや…。。
もう何年も経つのに。
あの日あの時、伝えられなかった思いを。
ずっとずっと心の中で繰り返して。
ボクは君の側を離れない。
君もボクの側を離れないで。
心の君に何度も伝えたこの思いを
直接伝えるその時までは。
この世界なんて大嫌いだけど、
君といる時間だけは、宝物だったよ。
……『愛してる』。
⦅これは私の友人Mのお話を参考にしたものです。彼自身が小学生の頃の初恋のおはなし。
一年ほど前にポツリポツリとお話ししてくださった彼のお話がずっと心にのこっています。
『大人になる前に死ぬんだ。彼女が俺を分かんなくなってしまうから。』
そんなことを言った彼に、うまく私は声をかけることができませんでした。そんな自分が情けない。
たった一言で、誰かの心を傷つけてしまったり、誰かの人生を狂わせてしまったり、誰かの命を奪ってしまうこともあります。
言葉の重みに苦しめられてきた。
彼もそうです。思いを伝えることで彼女との関係が崩れてしまうことをおそれた。
何が正しくて何が悪いのか。それはとても曖昧で、きっと本当の答えなんてない。⦆