子供をもう捨ててしまいたい。子供がいると外に出られない。自分が母親だと思われることが怖い。世界中にご機嫌伺いしながら外を歩くなんて怖すぎて息すら出来なくなる。聖母の顔をしながら深々と子供の顔を見てますアピールの為に頭を下げて首が折れてしまいそうな状態で何を楽しめば良いのか全くわからない。
もうずっと土日に夫と二人きりで出掛けてない。そのことが自分の中でストレスになっている。平日に一人で出掛けても意味がないのだ。一人で出掛けても淡々とたててた外出の予定をこなすだけで感情の起伏は乏しかった。気分転換にならなかったのに無駄なお金を使ってしまった気分になるのだ。他の人間が代わりになるわけでもない。他の人間に話したいことなんて何もない。
だから私は背景のように夫と食事をして電車に揺られたいのだ。それが生き甲斐と言ってもいい。
そこに子供がいたら途端にやかましくなる。周囲の人間が自分達に話しかけてくる。子供がいる母親だから普通の人だろうと世間話をふってくる。通りすがりの人間が子供を触ってくる。自分の子供の話をしてくる。話が振られることの負担が多すぎる。
注意されたらどうしようと不安になりながら話しかけられるだけで心臓に悪い。私は夫と過ごしたくてようやく訪れた夫の休日という貴重な時間を使っているのに他の人間が私たちに話しかけて易々と時間を奪ってくる。道を聞くわけでもなくそういう仕事の人でもないのに話しかけてくることが不快極まりない。二人きりになれないならもう嫌だってイライラが止まらない。やっぱり子供を産むべきではなかった。そういう気持ちになる。癒しが欲しいけど癒され方がわからない。夫と二人で過ごすことに代わる癒しがこの世にない。夫以外がどうでもよく邪魔で面倒な存在か自分を傷つける人間かのどちらかにしか見えない。