君と知り合ってから、14年が経ちました。
初めはただのクラスメイトでした。
ふとしたきっかけで話し始めて、気のおけない、いい友達が出来たと、純粋に嬉しかったです。
初めて君の家に行った時のことを、未だに鮮明に覚えています。
友達の一線を越えたあの日を。
それからずっと、心のどこかに君がいたような気がします。
卒業後、恋人との不仲・破局のたびに気まぐれに連絡を貰って逢うようになりました。そしてまたすぐ音信不通。
そのたび、自分はずっと友人のまま、それ以上に選ばれることはないんだと、思い知らされているような気持ちでした。
そんな君から突然のSOSが来たときは、正直またか、と落胆しました。でも、頼られることが嬉しかったのです。
誰にも秘密の二人の生活は、楽しかった。
ずっと続けたかった。
でも君はペアリングを外さなかった。待ち受けも変えなかった。君の気持ちを知ろうともしないまま、利用されただけなのだと、絶望しました。
そうして、君ではない人を選んだのです。
君が一番大変なときに助けられなかったことを、今でも悔やんでいます。
10年以上かかって、ようやく聞けた君の気持ち。
どんな人間でも愛している。と言ってくれたのはとても嬉しかったです。
そんな君はどこに行ってしまったんでしょうか。
いつまで君の愛という言葉を信じて待てばいいのでしょうか。
それとも、その言葉も嘘だったのでしょうか。
君と約束した春を見送ってから、約1年。
今もまだ、オレンジのマフラーを巻いた君を、ずっと探しています。