俺はあまね。
ただの変人、不届きものだぜ。
悪さが好きだ。スカッとするし、バカになれる。
あ、つっても別に犯罪はしない。言っただろ。変人だって。
まあでもこの世界、みんな変人だと思うけどな。みんな変人なのに、普通がある。いや普通があるのはある程度、均衡が必要だからいいんだけど。強要するのは違うよな。うぜぇ。
おっと余計な事話しすぎ?
いい話、に反応したろ。そこのあんた。
誰のかもわからん小瓶開けるときなんて、ただの興味だろ?いいと思うぜ。興味なきゃ、その対象とはつながらねーんだからさ。
さて、いい話だっけな。
んなもんねーよ。
別に悪いことじゃねーだろ?特に大きな波もない今日を送ってるだけだ。いつも通りって、一番落ち着くし楽しくねーか?
俺たちは縛られてる。たまにはくだらねー俺のこの小瓶でも見て、頭バカにしようや。
いい話はねーっつったけど、俺んちの近くの桜が咲いたぜ。写真を撮るのは得意なんだ。被写体が良いにこしたことはねーがな。
そーだなー。別に啓発したいわけでもねーけど、せっかく拾ってくれたあんたの時間、渡せるもんは渡したいよな。
明日また学校行かなきゃとか、親の言うこと聞かなきゃとか、もったいねーこというなよ。
お前がこの小瓶拾ってくれたんなら、この小瓶は意味を与えられたんだ。あんたがいて初めて、俺の存在が生まれたんだからな。これをひろったのはあんたの意思。誰かに従おうとしてんのもあんたの意思。あんたの意思なんだから、苦しくて当然だ。自己責任だからな。
だからこそ、まあいっかって言え。できるなら空見て言え。
お前がまあいっか、ならいいんだよ。俺が偉そうに言ったら、何がわかるって言われそうだけどな。
わかんねーよ。顔も知らないあんたのことなんか。けどな、どっかですれ違ったとき、あんたが下向いてっか、前向いてっか。俺は後者のほうがありがたいね。なんとなく今日を頑張る力もらえるし。
っつーわけで、今日の小瓶はここで終わり。
たまにはよかったろ。記憶に残らない小瓶も。
無駄な時間を過ごしたと思うなら言えよ。まあいっかって。
次拾うときには記憶消しといてくれよ。
なんでか、わかるよね。
残念ながら変人は女の子だからね。次は女だと思うよ。
んじゃな。