拝啓、この手紙を読んで頂いた貴方へ。
これは私の心の言葉です。
自分の要領の悪さに絶望した日。同僚からの叱責と周囲からの嘲り混じりの言葉に苛まれ、苦しみ悶えながら、歯を食い縛る。
自分の不器用さを嘆いた日。当たり前の事が出来ずに自分の情けなさに呆れ、他人から出来ないことがわからないと困惑された際の情けなさ。
本当は人が好きなのに口下手さと不器用さ、そして不注意さから他人から嫌われ、相手にされず、ただ他人が楽しそうに話しているのを押し黙って聞く日々。
誰もここから連れ出してくれないのは分かりきっている。この思いを吐露した所で余計相手にされなくなるのは理解している。
だけど、だけども。それでもこの心の痛みを、凍てつく様な冷たさとゾッとする様な鋭さで突き刺さる刃の感触を、どうか一度吐き出すのを許して欲しい。
痛いって言わせて。助けてとは言わないから。
泣きそうだって言わせて。涙は流せないれども。
許してって言わせて。許さなくても構わないから。
どうか、私のために私が祈ることを止めないで。